天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

哲さんの声が聞こえる 加藤登紀子

 もう秋分の日も過ぎて、9月も終わりですね。今月末で緊急事態宣言が終わるようだが、元々自分はたいして気にしていなかった。行きたい所には行くし、自分主催のレッスンなどはかまわず続けている。

 飲食店が大変だったと思う。こちらへの影響としては、孫のところに行っても夕食を外で食べることができないのが不便だったくらいだが、お店の売り上げは減り、従業員は減らされ、職を失った人は多い。ウーバーイーツの配達人になった人も多いだろう。

 そういえば、先日孫のところで孫と二人で夕飯の時間に、彼女のリクエストでウーバーイーツを使ってみた。車で出かけることを考えると、200円から300円程度の配達料は、場合によっては便利に思えた。でもそこから彼らはピンハネされている。

 今回はその話ではなく、掲題の加藤登紀子さんの本の紹介。

 赤村哲さんの本は、すべて読んでいる。読んで処分もしてしまった。彼の仕事は承知しているつもりだが、今回は色々な本の総集編のつもりで買ってみた。7月に出た本。

第一章 命をかけたアフガニスタン

    ここで中村哲さんの活動の振り返りがかかれている。

第二章 哲さんへの手紙

    加藤登紀子氏自身の活動が紹介されている。

第三章 生きるための10の言葉

    中村哲さんの人となりを感じる彼の言葉が紹介されている。

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 第一章の終わりの彼の言葉、

「主役は人ではなく大自然である。人はそのおこぼれに与かって慎ましい生を得ているに過ぎない。」これは、人も地球の一部に過ぎないということで、人がなんでもコントロールできると思ったら大間違い。ということだ。森羅万象をつかさどると言ったどこかのバカとは大違い。

 第三章の最後の言葉も、中村氏の行動の根底にある考えだ。

 曰く、正義・不正義とは、明確な二分法で分けられるものではない。敢えて「変わらぬ正義」と呼べるものがるとすれば、それは弱いものを助け、命を尊重することである。

 自民党の政治家に聞かせたい言葉だ。

 そもそも中村さんが銃撃されたのは、アフガニスタンの人々が日本に対する見方が変わってしまったことに根本原因がある。アフガニスタンでは、日本は日露戦争に勝った国として評価されていた。アフガニスタンに侵攻してきたロシアに勝った国で、いわばアフガニスタンの仲間と思われていた。それが911以降、米国の進出に協力する国となってしまった。

 話を戻して、なんでも二分法で分けられない、ということを受け入れることが大事。今風でもある。男と女に分けられない。賛成か反対か、どちらでもない意見もある。多様性の時代。

 中村さんはクリスチャンであるが、イスラム圏の国でいろいろな貢献をされた。これは宗教も関係なく、助けが必要な人を助ける。助けることが出来る人は助ける。同じ地球の一部として生存を楽しめるように。

 加藤登紀子さんが、いろいろな国で経験した話も、そこで感じたことも共通のトーンがある。広く読まれるといい本の一つ。