振り返り
年末になると、今年の10大ニュースという話題になる。個人的な10大ニュースは大したものが無いので、東京新聞が何を10大ニュースと見たのかチェックしておく。
<海外編>
1.南北・米朝が首脳会談
2.米中貿易摩擦が激化
3.性暴力撲滅にノーベル平和賞
4.メルケル氏党首辞任
5.徴用工判決 日韓に溝
6.米中間選挙、下院は民主
7.習氏の任期撤廃
8.海洋プラで憲章
9.タイ洞窟生還劇
10.INF条約危機
<国内編>
1.オウム13人死刑執行
2.ゴーン会長を逮捕
3.モリカケ問題泥沼
4.自然災害相次ぐ
5.平昌オリンピック日本勢活躍
6.築地から豊洲に
7.猛暑、各地40度超
8.イラク陸自日報を発見
9.辺野古移設対立深まる
10.改正入管法来春に施行
てな具合だが、こうして見ると日本国内にはいいニュースがほとんどない。6番目の平昌五輪で頑張ったやつが多かったというくらいで、社会的な問題ではない。
一方世界では1の朝鮮半島の雪解けに向けた動きを筆頭に、3番目、6番目、8番目、9番目と続く。これらをいいニュースと見た。6番目の米国の中間選挙の結果は、トランプにNOを言う勢力が米国には健在ということであり、米国自国第一主義を突っ走るトランプに歯止めがかかるのでいいニュースと見た。
8番目は地球環境問題に各国が取り組もうという具体的な約束ができたことをいいとするが、日本が米国とともに、即ち米国に同調して調印していないという情けない状態ではある。
世界の方の4番目と7番目は、ドイツ、中国のそれぞれの国のトップが交代するとかしないとかの問題だが、この二つの国が世界情勢における役割、位置づけが大きいため、こうして10大ニュースとして取り上げられるのだ。
日本の10大ニュースのトップがオウムか。他にもっと重要なことを先に挙げたほうがいいんじゃないの、という気がしないでもない。が、これは政治権力が一度に大量殺人をしたという評価が世界からされている。これは死刑判決が確定しているので、法違反ではないが、死刑の存続自体が先進国としてあるまじき制度でいること。13人の中には、犯した罪を十分に反省して、知的レベルも高いので、オウム事件の原因究明に役立つ証言が期待できたのを不可能にした。更に、このタイミングというのは安倍政権の失策から国民の意識をそらせる目くらましであること。とういう意味では大きな問題だった。
目くらましという意味では、2番目のゴーン会長逮捕も目くらましそのものに見える。日産自動車の社内問題なのだから、もう少し段取りを踏んだ調査がされてしかるべき。ということで海外からもやり方につて民主的でないことに批判が多い。
3番目が目くらまししている原因の事件。安倍の違法行為やウソを官僚が忖度しているという情けない出来事。民主主義の危機、法治国家の危機という視点から見ると1、2、3、6、8、9、10と7つも列挙されてしまう。6番目の築地移転をこの中に含めたのは、もともと築地への移転という決定そのものが民主的に行われたと言い難いことだ。おかげで移転計画そのものが政治利用されて2年遅れた。ここを生活の場としている人たちにはいい迷惑だ。
これらのニュースを見ただけで、日本が民主主義の危機にあることが分かる。来年の統一地方選挙と参院選では、ちゃんと民主主義が機能する政権を選ぶという正義が行われることを願うばかりだ。