天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

天皇について

 平成の天皇生前退位をするというので、元号を変える。

 新しい元号が発表されたが、その騒ぎたるやバカバカしい。元々天皇は戦後において国民の「象徴」になっているのだから、為政者でも何でもない。その人が歳食って変わるというのに時代が変わるかのような騒ぎをするのはおかしい。

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 新元号の公表の手順からして、A0153 さんが指摘されているように、政権が自分たちの権威付けに利用しているだけ。あるいは、悪事の目くらましの一つに使っているだけ。

 目くらましを色々やりたくなるほど、今の政権は民主主義国家にあるまじき憲法違反の悪事をいろいろやっている。目くらましとして昨年はオウムのサリン事件の犯人たちを、真相解明をせずに一度に殺したこと。10年前から臭いのが分かっていたはずの日産のゴーン元会長を、いきなり逮捕し長期拘留をしたことなど。

 で、天皇について、今上天皇は事あるごとに、天皇の位置付けが「象徴」であることの意味を考え続け、そのように行動してきたと語る。

 「国民の象徴」ということは、日本国民のありようを体現する存在と言えるだろう。そしてそれ以上でもそれ以下でもない。もともとシンボルの日本語訳だ。

 明治以降、それまでの徳川家による封建制度から天皇国家元首として、近代化を進めてきた。近代化イコール軍国化でもあった。列強の植民地化を免れ、独立国として存続するためには、軍国化もやむをえなかったかもしれない。

 その結果、日清、日露、シベリア出兵、第1次世界大戦参戦、日中戦争から太平洋戦争(第2次世界大戦)と軍事行動を進めて、領土拡大を図った。

 その間、天皇は日本を統治する国家元首として君臨した。この間、日中戦争開始以前は、日本は敗戦を経験せずに軍事行動の結果、日本人側的に言えば成果があった。

 そこまでは防衛とか世界との協調を理由に戦力を使ったと言えるが、その成果に図に乗って中国侵略そのものをもくろんだ。元々無用な戦争であったが、ヨーロッパの動きとも呼応する中で、結果は無理な戦略がたたって敗戦。そこまで拡大していた領土もすべてご破算。

 敗戦の結果、天皇国家元首から象徴へと変わる。変わるのだが、同じ人間がやっている。天皇制そのものは無くならなかった。戦争を勧めたグループの長でありながら、戦争責任を問われず「人間宣言」などをして、「現人神」から人間になったと宣う。

 日本は無条件降伏したとされるが、天皇制を維持することで、戦前の「国体」を維持した。

 昭和天皇が、戦争責任を問われなかったのは、軍部の独走で、天皇はそれを追認するしかなかったのだと言われていた。そういうことにしないと、天ちゃんを生かしておくことができない。

 東京裁判では、戦争責任者とされた者たちは、勝ち目のない戦と知りつつ、やめることを言い出せない雰囲気で戦争を遂行した、と言い訳をしていたらしい。挙句の果て「天皇陛下バンザイ!」を叫んで死刑台に臨んだとか。これはまるでパロディだ。

 最近になって、昭和天皇は実は戦争好きだったという説も出てきた。歴史の流れを見る限り、そうなんだろうと思わざるを得ない。少なくとも、平成天皇のようなマインドがあれば、軍事行動に抑制がかかったのではないか。と思う。

 いずれにしても、憲法で象徴天皇が規定されている限り、しばらくは天皇制は残るだろう。あとは、その役を担う人間とその取りまきが、その地位を平和利用することを願うしかない。そうでない兆候が見られた時には、民主主義国家の国民は声をあげる義務がある。民主主義体制は、国民の不断の努力で維持される。民主主義のための市民運動は永久運動であるという山口二郎氏の言う通り。

 元号について言えば、天ちゃんが交代したよ、と内外に示すだけのものなので、何でもいいのだ。政治利用されて、浮かれすぎないようにしないと。