731部隊
日中戦争中の731部隊については、森村誠一氏の「悪魔の飽食」を読んで、その残虐性については認識しているつもりだった。
読んだのは8年前のことで、その時の感想がこれ。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/20101201#1291206342
現在、八王子平和月間の取り組みのひとつとして、「731部隊と100部隊在の現在の課題」と題してパネル展示と、ビデオ上映が行われている。場所は八王子駅付近のアミダステーション。11月13日〜18日まで。日頃、日中友好協会の理事会の開催やイベントの場所として利用させてもらっているので、この展示開催中の受付などを手分けして手伝うことになった。私は今日の午前中と明日の午後。それぞれ2時間ずつの当番。
展示内容が内容だけに、しんみりとした雰囲気であろうとは思うが、バックミュージックに二胡の演奏はどうかと思い、二胡をもって出かけた。静かな曲を選んで受付に座って弾いていた。呼び込みの意味も含めて、入り口を開けていたので寒くはあったが、静かな曲をゆっくりと心ゆくまで弾いた。
それはいいのだが、731部隊について森村氏の小説以上に詳しく、問題意識を持った人たちの展示であり、自分も更に詳しく知ることができ、日本という国のおかしさを再認識した。
部隊名で言うと、細菌実験をしていたのは731部隊だけではない。100部隊というのは軍馬を中心とした動物実験をしていた。他にも中国各地で同様のことをしていた部隊がいたらしい。
この写真には驚いた。合成写真ではない。あべぴょんが戦車や戦闘機に乗って悦に入ってる写真は時々見るが、その戦闘機に731とあるのは初めて見た。あまりのことに一般には出ていないらしい。
731部隊の問題は、その残虐性に加えて、そういうことをした人間たちが戦犯になっていないことだ。アメリカに資料提供をして命乞いをした結果による。
ドイツのアウシュビッツなどのユダヤ人収容所でも、似たようなことが行われていたが、ドイツは戦争責任について、国として過去のナチ時代の悪行を認めて罰すべきは罰して出直している。それに比べて日本は、一部の人間を戦犯とした上で、過去の過ちを国として反省しているとは思えない。
この安倍のふざけた写真は、安倍の馬鹿さ加減を証明しているが、それだけでなく、こんな人間をのさばらせている日本という国は、国家として過去の悪行についての責任を取っていない。近隣諸国との摩擦はすべてここからきている。
普通に考えれば、無謀な戦争をした軍部の幹部は責任を追及されて、国民はそういう事実関係を知らしめて、二度と日本がこういうことをしないようにと考えるのがあたりまえ。それがそう考えない輩がいる。731部隊のメンバーでありながら責任を問われず、みどり十字などの会社を作ったり、細菌研究を継続して国立大学の教授や学長になっている人間が何人もいる。
そういう系列の人間が、かの戦争は日本が悪いことをしたという発想を持たないばかりか、結託して金稼ぎにいそしんでいる。安倍と加計学園の獣医学部の関係などはそのものだ。
アホの麻生が「最後は金目でしょ」と宣うのは、自分たちの家系が金で権力を維持して、何をしても罪に問われることがなかったことに基づいている。
そして敗戦後、民主主義をアメリカから学習したふりをして、国民にはほんとうのことを知らせないばかりか、自分たちに正当性があるような洗脳までしている。その結果がネトウヨだ。
明日もこの展示会のお手伝いに行くので、もっと勉強してこようと思う。関連する本の販売もしている。