天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

35 原発ホワイトアウト

 著者の若杉冽という人は、現役の官僚ということで、東京電力の福島の事故後の原子力ムラの実態を小説の形で世の中にさらけ出したもの。ということを知って、これは読むべしと読んでみた。

 驚いたのは、最近新潟県知事の泉田さんが次の知事選には出ないことになったが、小説の中ではでっち上げの汚職で逮捕されるという事態になっている。東電と原子力規制委員会と検察と政府とみなグルになっていて、都合の悪い人間はでっち上げの収賄事件を作って葬り去る。メディアも一緒になって事件性のある記事を書いているという意味では同じ穴の狢。
 小説は、面白おかしく書いてあるが、これは実情でしょう。
 泉田さんもそうとう脅かされているのかもしれない。
 先日、経産省前の脱原発テントが撤去されたが、この本の中でも同じことが書かれている。小説らしく、もっとドラスティックな出来事として中の住人が逮捕されたりしている。
 脱原発で当選した鹿児島県知事も、今頃さまざまなプレッシャーがかかっていることだろう。めげずに頑張ってほしい。
 最後は、再稼働した柏崎刈羽原発が雪に閉ざされた季節に、テロで送電線が倒され、冷却用の電源がなくなりメルトダウンを起こすというフィクションで終わるが、日本の原発は安全性が他国のもの、中国の原発と比べてすら安全性において脆弱なものらしい。そういうことは事実だろう。
 原子力規制委員会が判断するのは、原発の敷地内の安全性だけであって、地域住民の安全性などは判断基準にないとされている。
 この本は2年前のベストセラー。次にこの人は「東京ブラックアウト」という本も書いていて、先日ブックオフで見つけたのでこれも読んでみよう。官僚と経済界の癒着の実情がわかるに違いない。