天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

日中コミュニケーション株式会社

 昨日の午後は、孔子学院のサロンで「訪日観光最前線」というテーマで話があるというので参加した。話をしてくれたのは、日中コミュニケーション株式会社代表取締役社長という肩書を持つ可越さんと言う人だった。
 この話がなかなか良かった。可越という名前だけでは、男女の区別も分からないだろうが、1994年に中国の大学卒業後に来日した女性。東大大学院に学びつつ、自主映画の製作に携わった。その活動が「東京視点」としてサイトにも記録されている。来日してもう20年になるわけで、人生の半分づつを中国と日本で過ごしている。そして、今の日中関係が冷え込んでいる状況を改善したいと考えられている。
 日中関係は、最近は政治面での駆け引きに影響されて、とかく感情論的に語られることが多い。しかし、中国から日本に旅行に来る人の数は今年が過去最多の数を記録するとのこと。しかも、各国から日本に来る観光客の中で一人当たりの買い物額では一番多いらしい。
 示してくれた数字で言うと、今年の1月から8月までに日本に来た外国人観光客は863万人だが、そのうち中国からの客が154万人。この数字は2012年が過去最多と言われた中国からのお客さんの数142.5万人を既に上回っている。
 観光客の消費額では、中国人が一人当たり12万円を上回るが、他の地域から来た人達の平均消費額は以下の通り。
・香港:5.1万円 ・台湾:4.5万円 ・アメリカ:2.4万円 ・韓国:2万円
面白いデータがあるもんだ。
 可さんの主張は、もっと中国の人達に日本に来てもらうことが必要で、こちらからも出かけて行って直接中国の人達の暮らしぶりを見て欲しいということ。まったく同感。
 そしてこれを促進するためにどうするか、ということを色々具体的に提案したりコンサルティングするのが仕事らしい。例えばヨドバシカメラが中国に出るときに、会社名の中国名を考えたということだ。「友都八喜」というのがそれ。これは中国語を少し分かる人ならとても素敵な命名だと分かる。
 中国語では、外来語などを中国の漢字表記する場合には、その意味を示す漢字をあてたり、発音だけが似ている字をあてたりする。この「友都八喜」と言う字は中国語読みで「ヨウドォパーシー」とヨドバシのような音になるが、友達みんなが喜ぶという意を表している。都と言う字はみんなという意味で、八は縁起のいい数字。なかなかいい。関係ないけどちなみにユニクロは「優衣庫」と書く。これもグッドな当て字だ。
 日本に来る中国人観光客は、made in Japan の商品をお土産に買って帰りたい。しかし、どこに行ってもTシャツなど売っているのは made in China ばかり。中国の人は日本製品のクオリティが高いと知っているので、made in Japan をありがたがる。しかし、日本の大手企業はコストを下げる為に製造工程を中国やその他の地域に委託している。一方、中小企業の方は純粋に日本製品であり、品質もよく企業努力で凝るとも下げてはいるが、なかなか一般の市場に出ない。個別の販売路を開拓するのがなかなか難しいという事情がある。この点は、日本経済の活性化のポイントとして大いに検討の余地がある。
 彼女の言う「往来」の促進はとにかく大賛成。今の日本人の中国嫌いは、中国を十分に知らないで好き嫌いを語っているようだ。確かに一般の中国人庶民は、マインドの点で日本人ほど呑気にしていられない。月給が少ない例も話に出ていたが、庶民は給料の他にも何か儲かる話は無いかということが大きな関心事になっている。これは民度の違いというよりも、そういう環境に置かれた中で生き延びようとするエネルギーであろう。
 国を超えて庶民の触れ合いができるようになって来たのだから、そういう動きを促進するのが平和を維持することにつながるだろう。まずは自分自身がもっと往来したいカモ。