天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

 格差のこと ジニ係数

 最近、アメリカの格差社会の悲惨な状況をレポートしている堤未果さんの本を何冊か読んで、アメリカの軍事産業のパワーはすごいものだなと感じると同時に、憲法を変えてまで右傾化しようとする日本がこれにならうことの無いようにしなくてはと思う。
 格差を表す数値にジニ係数というのがある。これは格差ゼロの状態が0で、一人に全ての富が集中した状態を1として、社会全体の富の偏り率を示す数値だそうだ。
 この係数では、通常の先進国は0.25未満から0.35、0.39という水準におさmるらしいが、アメリカは0.45〜0.49とかなり高い水準にある。かなりの高水準だ。
 では中国はというと、0.6以上だろうと推測される。世界の経済大国の二国が相当高いレベルにあることはいったいどういうことなのか。これをもって格差は経済活性化の原動力だという輩がいるが、とんでもない話だ。
 中国とアメリカが同レベルかというとそうではない。この数値はアメリカの場合国全体を示しているが、中国の場合は都市戸籍をもつ富裕な恵まれた人達の中での数値だ。農村戸籍をもつ人達は考慮外なのだ。農村戸籍の人達まで含めると、中国の格差は南アフリカ並みだという。
 中国は、四つの階級に分けられる。第一級は共産党幹部、人民解放軍将校、民族資本家と言われる超富裕層。そして一般の都市戸籍の人達。それから都市戸籍の人口の二倍はいる、農村戸籍の人達。更に、戸籍に登録されない人達すらいる。この最後の人達の状態はすさまじい。人として扱われることがない、と言っても過言ではないくらいだ。
 この人達の扱われ方はひどい。この人達が交通事故にあったとすると、本人の怪我や命よりも車を壊したことをとがめられて、親族は管理不行き届きで賠償させられるとか。また、ちょっとした人の集まるところに行くと、体が満足でない人がものもらいをしている風景は中国の街ではたまに見かける。足の切れ目だとか、壊れた部分をことさらさらして憐みを買ってお金をもらおうという。昔の日本の傷痍軍人の物乞いを彷彿させるが、さらにすさまじい。聞いた話では、物乞いができるようにわざと体を変形させるということもあるらしい。世界に色々ある人権擁護団体はこういう実態を知って、中国で何かをするだろうか。
 「中国自壊」と題する本を読んでいて、つい書いておく気になった。物乞いの話は別のところからの情報だが、こういう現実を見ると、評論家然としてあれこれ言うだけでは生易しくはないか。現実をもっと広く知らしめて、心ある人達の行動を喚起するとか、不幸な星の下に生まれた人達に、具体的に手を差し伸べることも必要ではないか。