天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

高齢化社会 in 中国

 孔子は、年寄りを敬えと語った。これを中国の良い文化として、胡錦涛前主席は、そのことを中国の社会制度としてゆくと語った。和諧社会政策だ。しかし実情はなかなか難しい様相を呈している。
 北京発の情報によれば、60歳以上の22.9%の人が貧困や身体障害などで困窮しているという。この世代は、中国建国以降の混乱期を生き抜き、改革開放以後は中国経済の発展に貢献してきた層のはずだ。
 この22.9%、4,240万人の人達は年間消費額3200元(日本円で48,000円)という暮らしをしている。月でなく年間ですぞ。
 中国は、一人っ子政策の為に今後の高齢化は更に急速に進む。年金制度はあるものの、農村出身者などはその恩恵を十分に受けられない。よって稼いだお金を消費に回さないで貯蓄に励む。年老いてからの自己防衛にお金をためる。こういった高齢化では収入が増えても、消費拡大につながらないので中国経済の不安要素になるとみられる。
 振り返って日本はどうか。格差の広がりにより、困窮している高齢者はやはり増加傾向にある。しかし、中国社会では家族が年寄りの生活を支援するのに対して、日本は年寄りの方が金持ち、という現象が起きている。どうやって税金を節約して子どもに資産を引き継ぐか、などということに頭を使っている小金持ち達が多い。
 孫の教育費には贈与税の課税をしないという制度もできた。日本の年寄りが金持ちなのは、やはり貯蓄志向が高かった上に、ずさんな年金制度でも、そのおかげで大多数の人はもらうものは貰っているからだろう。
 日中どちらも問題を抱えている。理想的には高齢者がいつまでも健康で活動できることが一番。そして働けなくなったら、若い家族の働きで暮らしてゆく。そういうのが自然だと思うがどうだろうか。このことを、家族単位でなく社会全体として遂行するのが本来の年金制度だろう。経済が発展してゆくことが前提。そうでなければ若者の負担が増え続ける。
 今後、高齢化問題は日本より中国の方が数字的には深刻になってゆく。そこのところを、従来のように孔子の教えが少しでもカバーするようになるのだろうか。まずは自分の健康に気遣うか。