天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

フルート

 知人に頂いたチケットで、フルートの演奏会に行った。芸大出身の四人の女性演奏家が、LYNXというグループを結成して活動をしている。フルートだけの演奏会に行ったのは初めて。一口にフルートと言っても、ALTOやBASSなど音域や響きが異なるものがあり、それらの組み合わせでクラシックや民謡、あるいは春の海といった日本音階のものまで演奏されていた。
 どれも美しい音色で、なかなかよかったが、特によかったのはラストに演奏されたLittle Prayer(小さな祈り)と、アンコールで演奏してくれたOriental Navigationと読んでいたLYNX作のオリジナル曲だった。やはり自分たちの出す音に合ったメロディーやリズムは、ご本人たちが一番よく分かっているということだろう。勿論作曲のセンスもよくなくてはね。
 途中、一般演奏家の希望者だろうか、バックで30人近い人達が並んで、それぞれのパートを吹くということが行われた。題目はベートーベン「交響曲第9番」第4楽章。フルートだけの大勢での演奏も結構迫力があった。参加者の中にいた東大生や、子育て中の主婦がインタビューを受けていた。
 今日の4人はCDも出していて、プロの演奏家であろう。が、クラシック音楽の世界で食べてゆくのは結構厳しいらしい。それで知人の会社が支援をしているわけだが、なかなか粋なことだと思う。
 一緒に演奏に参加する人達は、趣味の世界で楽しんでいるのだろうし、我々観客も聞くことで音楽の素晴らしさを感じる。これもひとつの文化活動。衣食足って礼節を知るではないが、衣食住に不安の無い人だけがこういう文化を楽しむことができるのか。そうではない。衣食住、即ち生活のために文化活動をする人をプロであり、一方音楽や芝居、その他の芸能を観賞する側は、毎日の生活から離れたひと時に一服の清涼を楽しむ。そいうう習慣があること自体、文化を楽しむ人間らしさを維持できるのだろう。
 それを思うと文化大革命はひどかった。政治権力の闘争に庶民が巻きこまれた上に、中国の伝統的な文化遺産の多くが破壊されてしまった。
 今日のような演奏会を純粋に楽しめる社会を維持してゆくことも、我々の責任だろう。