お茶で足湯
瑣末な事。前回だったかの中国語の教室で、中国人の先生から「お茶で足湯」というのを教わった。
お茶は飲むもので、そんなことをしてはもったいないではないか。と思ったが、先生曰く「安いお茶は農薬がいっぱいで飲むとよくないかもしれないので、足湯に使うといい」ということだった。飲めないようなお茶はそもそも買わないだろう。と思うのだが、たびたび中国に出入りしていると、ついそういうことが起きる。
中国でお茶を買うときは、特に贈答用などの時は天福銘茶というお茶やさんで買う。もともと広州のビジネス街で、日本人などが土産を買いそうな場所で初めて見たお茶の専門店だ。これが、中国のどこにも店を出している。どこにも、と言っても日本人である自分が短期に出入りするような、大きめの都市の繁華街である。
その他の場所としては、中国でカルフールなどのスーパーを見るのが好きだが、そういった場所にもお茶屋さんは必ずある。店のレベルはピンキリ。安いものを買うのが好きな自分は、そういう場所でも時々お茶を買う。つい安さにひかれることがある。
高級茶葉から、スーパーのお徳用茶葉まで色々味わってみると、安くても美味しいものを発見したり、同じように見えても、安いと味も香りもイマイチなのに、色だけは何回入れても出るだとか。色々あることがわかる。要するに値段に関わらず、ハズレを買う時があるのだ。
そういったハズレ茶葉なら足湯につかっても惜しくない。とて、早速足湯バケツを買いに行った。ところがこれが、近所のホームセンターなどで見つからない。という場合にはネットが味方。注文するとすぐに届いた。目的は茶葉を使うことなので、高級器具は要らない。千円ちょっとで手に入る。
先生によれば、これはお茶の効果で血行が良くなり、体も温まるという。早速やってみた。最近特に咳とともに手足の皮膚が乾いてダメージが大きいところだったので、まさにうってつけ。長めにお茶につけておいた足は、バリバリに乾いた皮膚もしっとりする。しっとりしているうちに、クリームを塗り、綿のソックスを穿いた。こうしていてもジーンとしてきて気持ちがいい。お茶の効果で水虫のかゆみもおさまっている感じ。
こういう茶葉の使い方を、友人で中国茶の評茶員という資格を持つ人は、何と言うだろう。それにしても、これを教えてくれた中国語の先生は、普通に語学で生業としているが、中国人ということで漢方的な知識が豊富なのだろうか。中国の華僑の人達が、世界のどこに行っても生き残れるのは、自分たちの体をケアする知識が身についているからだ、ということを読んだことがある。お茶の使い方もしかりであろう。
休日の、のどかな午後のお茶の足湯でした。