「新しい中国人」山谷剛史著より
以前、神田の中国関係専門の本やさんで買っておいた本。中国の若者のインターネット利用に関する本だが、少し読んでしばらく放っておいた間に、友人から「中国版ツイッター ウェイボーを攻略せよ!」という本を借りた。前者が2008年の本で、後者は昨年の本だ。この世界は進歩が速いので、2008年の本はもう陳腐化しているかと思いきや、そうでもなかった。
中国のパソコン事情や、日本製の電子機器が売れる理由などが解説されている。日本の電気製品のなかでも特に人気なのはデジカメだ。この分野は中国製品ではまだ対抗できず、日本製品ボイコットなどと言っても、そういう様子を捉えているカメラはソニーだったりキャノンだったりするらしい。
後者の本は、ネットの中でもソーシャル・メディア・ネットワークを活用した事例などが中心であった。
中国の場合、グーグルが無くて代わりに百度(バイドゥー)があるし、チャットのソフトとしてはQQというのがある。このあたりの事情は数年前から同じようなものだが、そのサービスはかなり拡大している。
昨年、自分がスマホを手に入れて、それを持って中国に行ったら、向こうでも皆同じものを使っていた。まったく同じハードなのか、コピー製品なのかそのこのところは分からない。カメラの写りが向こうのはイマイチのように見えたが、電話やネットに入る機能はまったく同じ。
日本でスマホを使って LINE というコミュニケーションツールを教えてもらった。チャットが出来るし、写真やボイスメールもできる。これを中国でスマホを持っている友人に教えて、メールや電話代わりにしようと思ったら、逆に微信(ウェイシン)というのを教えられた。機能はほとんど同じ。微信の方は、中国語で入力しても文字化けする心配もない。
掲題の本は、新しい中国人即ち中国の若者への、ネットの影響を書いたものだが、スマホアプリがこう充実してくると、その影響というのは加速する。四川地震のときの情報伝達の早さは、国営放送よりも早かった。
若者達の間のネットの世界は、どこも同じように思う。日本人も中国人も同じツールでコミュニケーションを取るようになった。ただ、中国の場合皆が皆そういう状況にあるとは言い切れない格差がまだある。