中国のベストセラー
朝日新聞の日曜版に中国のベストセラーが載っていた。中国といっても北京の書店調べなので、ところ変われば趣向も異なるかもしれない。
ともあれ、興味深いので内容を確認すると、ベスト10のうち2冊は自分も読んだことのある本だった。
その2冊とは、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」と、中国人作家の姜龙の「神なるオオカミ」だ。ベスト10のうちわけは、外国の作家が半分、中国人作家が半分だった。ベストワンは「解憂雑貨店」。これは中国名で、東野圭吾の「ナミヤ雑貨店の奇跡」だ。
私が「神なるオオカミ上下」を読んだのは、翻訳が出てすぐのころだったが、今年これが映画化されているらしい。中国映画はいろいろ見ているが、こういう映画を見てみたいものだ。
さて10冊のうちちょうど外国人作家と中国人作家の作品をそれぞれ1冊づつ読んでいるが、ほかにはどのようなものがあるかというと、外国の作品では日本人は東野だけ。あとは、「君のためなら千回でも」カーレド・ホッセイニ、「The Storied Life of A.J.Fikry」ガブリエル・ゼヴィン、「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」(一個人的朝聖)レイチェル・ジョイスということだ。
中国人作家のほかの作品は次の通り。
「平凡的世界(3部作)」路遥:時代のうねりの中、ひたむきに生きる農村の人々を描いた不朽の名作。だって。
「乖、摸摸頭」大氷:人生を旅するさまざまな人々の想像を絶する愛情、決意を綴った短編集。
「従你的全世界路過」張嘉佳:心揺さぶる物語を集めた短編集。ネット上で4億回以上のアクセスを記録した。
「我与世界只差一個你」張??:笑いと涙の、それぞれの愛の形、別れの形・・・若者たちの12の小さな物語。
中国本5冊のうち3冊が短編集になっている。そういえば、現代中国文学に収録されているのは皆短編だ。中国は短編作家の方が多いのだろうか。長い物語を書く文化があまりないのだろうか。中国は四文字熟語が多いし、なんでも略した名称を付ける風潮がある。
いずれにしてもこういう具合に並ぶと、3冊目を読みたくなる。