天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

Legacy by Danielle Steel

 Legacyという言葉は遺産と訳され、受け継がれたものと言う意味。自分の車もLegacy。古いボロ車ということではなく、名前がレガシー。
 ボストンの大学で事務しながら、夫人の権利についての本を書こうとしていたブリジッドは、6年もつき合っているボーイフレンドから当然の別れを告げられる。彼は念願のエジプトで発掘の仕事を得たというのだ。そんな場所に彼女を連れてはいけないと言うわけだ。
 その一方的な身勝手さに怒りながら、どうにもならない。おまけに事務の合理化で仕事も失う。
 そこで母のルーツ探しを手伝って、パリまで行く。その目的は、単に彼女のルーツがフランス人ということではなく、まだアメリカが開拓時代初期のころに一人のアメリカンインディアンの酋長の娘がパリに渡って、貴族に娶られそれがブリジッドの祖先でもあったのだ。
 物語の中盤は、そのインディアンの娘が、フランスに渡って貴族と結ばれるまでのいきさつが臨場感をもって語られる。それも現代と当時をタイムスリップしながら。
 彼女は、種族間の争いでさらわれ、囚われの身になっていたところを、一人のフランス貴族の次男坊が、国を離れて新大陸で冒険家のようなことをしていところ、偶然彼女と行き会い、成り行きでさらったインディアンの族長を殺して彼女を連れて逃げることになった。知り合いを頼りつつ彼女の身の安全を確保するのに奔走するが、結局自分が出てきたフランスに連れて帰ることにした。
 言うまでも無くその娘は絶世の美女であり、裸馬も乗りこなす強気な娘であった。こうした命がけの逃亡の中で二人は愛し合うようになるが、フランス行きの船の中で彼は病で死んでしまう。彼女はフランスに天涯孤独の身で着くが、彼から手紙で到着を知らされていた兄、即ちフランスの地方貴族の統領に引き取られる。
 そこでまた二人が結ばれるまでの経緯が読ませる展開だ。折しもフランス革命が起きて、パリにいる貴族たちは皆首をはねられる中。田舎の城を守っていた兄は、ならず者のような田舎革命家達を追い払う。その戦いでも元インディアンの彼女は活躍をする。
 さて本来の主人公は、この話を調べたブリジッドだ。彼女はパリとその田舎の城で調査をするときに、パリの学者の男の助けを借りる。その彼は、一緒に調べたインディアンの娘の成り行きに驚きつつ、ブリジッドに惚れてしまう。
 ブリジッドは調査を終えて、一旦ボストンに帰るものの、仕事も彼氏もいない空虚な生活が待っているだけ。
 結局のところ、パリで仕事を得て、パリの彼とハッピーエンドになる。
 あらすじを書いてしまったが、中身はもっともっと面白い出来事がいっぱいではじめから最後まで飽きることがなかった。
 この前読んだ「永遠の0」もルーツというか祖父の生きざまを調べる筋書きだったが、こういうルーツ探しは結構面白そうだ。自分のルーツもたどってみると面白そうだが、庶民の場合は所詮戸籍でたどれる範囲で終わるのだろうが、そこには何か思いもよらない出来事があったりするかもしれない。