久しぶりに遠藤周作氏の小説を読んだ。
カトリック作家である氏の作品は、心に響くものを感じさせてくれる。この作品もその期待を裏切らない。時代的には昭和の作品であることで、もはや一時代前のもので、事実中の描写にそのような雰囲気が感じられ。ある意味レトロな小説としても面白いと言える。
この作品のテーマは、人間の誰の心の中にも潜む魔性というものの存在であろう。犯人探しのミステリー的要素もあり、読みだしたら一気に読んでしまった。長々しい伝記などを読んでいる途中でこういうものを読むのもいい。
それにしても、改めて遠藤周作氏の作品の魅力を感じた。また時々ここに帰って来たいという感じをもった。
更に、ここで参照されている本も読みたくなる。その一つがもはや古典かもしれないがドストエフスキーの「罪と罰」。そしてモーリヤックの「テレーズ・デスケイルウ」。一応読みたい本リストに登録しておいた。