天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

VANISHED by D.S.

 ダニエル・スティールの小説。タイトルから何が消えうせたのだろうと思って読んでいたら、子供だった。かわいいわが子が誘拐された。
 若いころに一人と半分(お腹の中)の子供を失って、それが元で愛する夫と別れるという経歴を持った女性が、優しい年配の男の求愛を受けて結婚する。そしてやっと生まれた男の子。その子が誘拐されてしまう。
 誘拐事件の直前に偶然出会った前の夫に容疑がかかる。彼の部屋から子供の持ち物も出てきたことで逮捕、裁判という運びになる。しかし、美しくて誠実な不幸のどん底の主人公に色々な人たちが味方する。クライマックスは、裁判も終わろうとする頃に彼女に思いを寄せるまでになったFBIの捜査官が国外へ連れ出されようとして、船底に閉じ込められていた子供を見つけ出し、法廷まで連れてくるところだ。
 犯人は何と、現在の裕福な夫であった。彼は浮気相手の秘書と本気になったものの子供が生まれない。そこで主人公に子供だけ産ませてその子を連れて秘書の故郷ドイツへ逃亡しようと企てたのだった。
 美人、不幸、困難、愛情遍歴、何故かいつもリッチ。これがダニエル・スティールの小説に大抵出てくる材料だ。今回の本の時代背景は古い。第一次世界大戦の頃だろうか。ドイツではヒトラーが君臨している頃のお話。
 Thet's entertainmennt.という言葉がふさわしい。少し前の作品のせいか、見え見えのストーリーを楽しむことはあるるが、平易な英語で愛情や心の動きをサラリと表現してしまう個所は少しすくなかったように感じた。
 次に手にしているダニエルの本のタイトルはMALICE。来年最初に読み終えるD.S.作品となる。