天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

「シャングリラ」

 これは中島みゆきさんの戯曲。実際に舞台での演技をしたもので、制作日記もついていて面白い。友人にこの中島みゆきさんと同郷で、高校時代に同級生だった人がいるので、以前そのような舞台活動をしているという話を聞いたことがあった。
 彼女は夜会と名づけた独特の舞台芸術でファンを魅了している。そのシリーズは今も続いているようだ。次は17回目の作品を演じるらしい。我々と同年齢とは思えないくらい若さを保っている。女性として、お肌のお手入れやシェイプアップに努力されているのだろうが、活動を続けようと言う意気込みが若さにつながる。
 私がこの本を手にしたきっかけはこのタイトルだ。シャングリラとは中国雲南省にある理想郷と言われる地方の名前だ。少し前、旅の番組でここの少女が紹介されて甚く感動したこともあった。
 物語の主人公は中国人の女性たち。中国から出てアメリカに行った人と、残った人の話。戯曲なのですらすらと会話を読んでいくのだが、なかなかどうして面白い筋書きだ。中国という舞台だからありうる悲しいお話。その中に中島さんの思いが込められ、述べられている。心に響いた一節を引用しておく。
 自由に歩いてゆくのならひとりがいい
 そのくせ今夜も他人の戸口で眠る
 頼れるものはどこにある 頼られるのが嫌いな獣たち
 背中に隠したナイフの意味を問わないことが友情だろうか
 この世見据えて笑うほど冷たい悟りもまだ持てず
 この世望んで走るほど心の荷物は軽くない
 救われない魂は 傷ついた自分のことじゃなく
 救われない魂は 傷つけ返そうとしている自分だ
こんなような自作の詩を唄いながら舞台で自己表現をする。これも一つの芸術で、見るものを楽しませてくれる。かつてヒット曲もあったが、彼女の本来の活動はどうもこういうことらしい。一度見に行きたいものだな。