天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

八王子市民講座(第1回)

 先般、日中友好協会の方からこのような講座のご案内を頂いていたので、かねて連休中の予定に入れていた。行ってみると、結構大勢の参加者。講師の崎山比早子さんという方は、高木学校、原子力教育を考える会という肩書。元放射線医学総合研究所主任研究官、医学博士という方だった。
 テーマは、「子供たちの未来と自然エネルギーを考える」というもので、サブタイトルは写真のとおり。
 話のポイントは、今回の福島の原発事故の放射能漏れの影響についてである。テレビで「すぐには人体に影響が無い」などと訳知り顔で説明をする学識者のような顔をした「専門家」とは違い、事実を分かりやすく説明してくれた。その話によると、安全値などというものは無いようだ。放射能に触れる量に応じた危険度というものは確実にある。ということだそうだ。
 もう一人講師がいて、八王子在住の山田小児科医という人だった。こちらも、医療関係で放射線に関して色々と社会的活動をされている方のようで、日本人が放射線を浴びる機会はCTの取り過ぎもあるという話が印象的だった。また、チェルノブイリ原発事故の際に、被爆国日本からの「専門家」として軽はずみな発言をした学者を激しく攻撃されていた。軽はずみな発言とは、事故後に多くの人が甲状腺がんになったことについて、あの地域は元々甲状腺患者が多い地域だということを言ったとか。
 お二人の話の後に、質疑応答の時間もあった。基準値をどう判断したらいいかとか、やはり気になるのは胎児への影響などについて質問が出た。基準値や規制値のレベルが引き上げられるのは、上げなければ社会が成り立たない、というだけであって安全が確認された訳でも何でもない。それと胎児への影響については、広島原爆の時の被爆二世の問題に触れて、影響はあるとしなくてはならないと話された。ただ、政府が被爆者の範囲を一定の範囲に抑えようとする動きがあっただけだとのことだった。
 自然界にも放射能は存在しているのだから、ある程度の放射線は浴びても問題ないとするのは間違いである。自然界にある以上に人工的な放射線を浴びて、浴びる量が蓄積してゆき、健康被害が起きる可能性が増すことには変わりが無い。
 参加の発言もあった。今回の市民講座は第1回にもかかわらず、多くの人の参加者があったのは、八王子以外の地域からも来られていたからだった。荒川区から日ごろ崎山先生のサイトを見ていて、今日は先生の話が聞けると言うのでここまで来たのだという、おっかけのような人。一ツ橋大学の学生で、何か放射能の社会的影響を調べている大学生。埼玉は東松山から、昨夜ツイッターでこの講座を知って聞きに来たという母親。奥多摩で毎日放射線の放出量を計測していると言う人。ネットの威力はすごいものがあることを再認識した。
 最後の先生の言葉。地震の後にあった都知事選挙で、都民は石原知事の再選を許してしまった。あの人は、原発は安全なもので東京に作ってもいいのだなどと発言していた人なのだ。我々の側も誰がどような認識で政治をしているのかを注意して見ておかなくてはならない。