天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中国人留学生が帰国する訳

 3月の東北の地震津波、それに続く原発放射能漏れ事故があって、海外の人が日本から脱出しているという事実がある。なかでも数で圧倒的に沢山日本に来ている中国からの留学生、就学生たちが中国に帰っている。実際にそういうことがある。「逃げ帰るとはまったく・・・」という非難する声が聞こえている。
 しかして、彼らが帰る理由は実は逃げるのではなく、親孝行な子供たちだからということらしい。東京近辺に長く住んでいて、日本語も理解するようになれば、我々日本人と生活感覚はほぼ同じであり、現状ですぐに身の危険を感じるということはない。色々と問題が起きていることは承知しているが、逃げるほどではない。東京に住んでいればそれがわかるが、中国にいる人たちはテレビですさまじい津波の様子や、ボロボロになった福島原発の建物をみれば、日本全体がとんでもないことになっていると思ってしまう。
 そして、現在日本に留学している学生たちは、大抵は皆一人っ子なのだ。ご存じ一人っ子政策をやっているので、大事な大事な一人息子や一人娘を大金を払って、往々にして借金までして留学させているのだ。その子供たちに万一のことがあっては大変。「とにかく帰って来なさい」という親からの指示が出る。
 中国の子供たちは親の言うことをよく聞く。親を大切にしている。たとえ自分の考えと違っていても、親がいうことには従うという一種の礼儀が身についている。なので、ひとまず親を安心させるために帰国するのだ。親にちゃんと話をして、それでも聞かない場合はおじいちゃんやおばあちゃんの助けを借りて、親を説得してまた日本に帰ってくるはずだ、という話を聞いた。彼らは親にこう言うはずだ。「日本は危なくないよ。本当に危なくなれば日本人は自分たちよりお金を持っているから、まず自分たちが逃げ出すはずだ。日本人が逃げないうちは大丈夫だよ」と。
 この話はとても理解できる。納得できる話だ。「連休が明ければ、みんな戻ってくるよ」と中国の人が話している。そうだったんだ。
 余談だが、日本人はたとえお金が有っても簡単には海外に避難しないと思う。島国日本に住みなれた多くの日本人たちは、ここ以外に住むところがあると思えない人の方が多い。グローバル感覚が身について、なおかつお金のある人は海外脱出を本気で考えている人もいるかもしれない。私などは、これを理由に、これ幸いに、中国に住む理由ができた、などと言いだすかもしれない。