天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中国は広い

 中国現代文学第3号という本の中に、「鷹影」という作品がある。作者は紅柯。日本読みでこうか。柯は木辺に可と書く字は初めてお目にかかった。
 この短編の舞台は新疆ウイグル地区と言われるところ。中国現代文学のご多聞にもれず、政治的な色彩は排除された幻想文学のようなもの。天山山脈を越えるトラックの運転手が、山越えでトラックごと道から飛び立つような事故で亡くなる。これが空を飛ぶ鷹のイメージとしてその息子の心にトラウマのように沁みつく。そんな情景だ。
 その舞台の情景描写は、中国北部のモンゴル平原にも似た感じがする。モンゴル平原の主役はオオカミであったが、天山山脈の連なる更に西の地域では鷹なのだ。そうだろう、平原を素早く移動し、自由に駆け巡るのは四足のオオカミでしかるべきであるが、山岳地域では走りまわると疲れる。空を翔けるほうが合理的で効果的。もっとも空は平原の上にもあり、どこにでも行ける。山ですらものともしないということだ。
 ともあれ、感じるのは中国は広いということだ。今月計画している中国行きは、当初ハルピンから南に移動する旅にしようと思っていたが、諸般の事情により一気に南の自分の未踏の観光地に行くという幾分気楽な旅に切り替えることにした。向こうの友人に広州からの桂林ツアーを聞いてもらったところ、4日かかるというのでおそらく川下りフルコースだろう。日本から2,3日で行くコースに比べるとヘビーかもしれない。でも、中国庶民にまぎれてゆく旅は面白いことが色々ありそうだ。
 広い中国を歩いて回る旅の手始めとしては悪くないかも。