天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

JCC中国講座(中央アジア)

 JCC中国講座というのに行った。これで3回か4回目だろう。年に2回ほどある。結構著名な方が来てくれて直接話が聞けるので、できるだけ行くようにしている。
 今回は中央アジアがテーマだった。講師は田中哲二さんといって、国連大学学長上級顧問、中央アジアコーカサス研究所長という肩書をおもちの方だった。紹介によれば、日銀マンからスタートし、日本政府からキルギスに当地の中央銀行顧問として派遣されていた人だった。中央新書に「キルギス大統領顧問日記」という著作もある。
 そういった関係で、今でもこちらの地方と日本との関係活躍されているらしい。年齢は私より10近く上で、まだ引退していない。
 今回の講義で、あまりなじみの無かった中央アジアと言う地域が少し分かってきた。これから徐々に日本とも関係が深まると思われる。今日の話には出なかったが、お相撲さんでこのあたりからきている人たちが既に何人かいる。黒海とか、ウズベキスタン出身の人とか。
 では中央アジアというのはどこかというと、中国とロシアとヨーロッパに挟まれた地域で、シルクロードの通り道になっている場所だ。今日の話はそのシルクロードから始まった。シルクロードというのは、そういう名前の特定の路があるわけではなく、西と東を結ぶ陸路のある地域ことを総称しているのだそうだ。そうだろうとは思うが、その地域は結構広い。天山山脈の北側を通過している道を天山北路といい、南側は天山南路と呼ぶ。要するに天山山脈の南北がシルクロードだ。
 この地域にある国々は、1991年まではソヴィエト連邦に属していた。国名では、ウズベキスタンカザフスタンキルギス共和国タジキスタントルクメニスタンであり南コーカサス地域ではアゼル倍ジャン、アルメニアグルジアということらしい。
 これらの国々は、ソ連の崩壊とともに独立し自由主義経済圏となったわけで、国民が独立運動を起こしたわけではなかったので、タナボタ独立と呼んでいる。なので、以前の体制では共産党のトップ、第一書記が横滑りで大統領となっているので、実情は変わっていないという。個人が権威主義的に支配する体制になっており、大統領が世襲している国もあるとのこと。民主主義には程遠いらしい。
 講義の中身を逐一書くことはしないが、今日の話のおかげで中央アジアへの認識が深まった。2001年の911のあと、アメリカはこれらの国々へ軍隊を派遣した。これらの国々はアフガニスタンの北部に位置しており、アフガニスタンを北側から包囲する目的ということだ。が、そういう理由で元ソ連配下の国々に進駐したわけだ。
 経済的には海に面していない国々なので、外資も工場を作っても輸出に費用がかかるし、国内需要も人口が少ないので、ここまで来ることは躊躇されるらしい。難しい地域だ。
 文化的にはどうなのだろう、ということだが、講師の田中さんがキルギスから持ち帰った青銅の武器と、口にくわえてはじいて音を出す楽器を見せてくれた。古来、西と東の通路なので色々なコインが出土するとのことで、そのコレクションも回覧された。

青銅の剣

鉄製の楽器。左はケース。アイヌの楽器と音がそっくりだったが、アイヌの方は竹製だそうだ。