天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

古き良き時代

 ある雑誌にアメリカはコロラド州デュランゴという町の紹介記事が載っていた。ロッキー山脈の麓、開通130年にも及ぶ蒸気機関車が今も人々の夢を乗せて走る。と言う具合に、オールドアメリカンな建物のとてもいい写真とともに色々書かれている。それが「古き良き時代」の風景が今も残っていると言うわけだ。
 コロラドと言えば田舎町であり、昔ここに移り住んだ人々の子孫たちがのんびりと暮らす。それはいいが、ここにも先住民族と言われる人たちがいて、彼らを追い出してまたは征服して、ヨーロッパで食い詰めた者たちが住み着いたわけだ。しかもその鉄道の敷設工事をしたのは奴隷や中国からの移民だ。そういう人たちをこき使って自分たちに便利なものを作ったのではないか。
 先住民族とは都合のいい言葉だ。先住があれば後住もありというわけか。日本が満州に出て行ったのは、ヨーロッパの白人がアメリカ大陸に出て行ったのと時代的には違う。が、そこにいる人々を追いやって自分たちの土地に力づくでしようとした行為は同じではないのか。アメリカ大陸でうまく征服したので、あの土地は白人たちの土地となった。
 国が滅ぶということは、文化が滅びることだと誰かが言った。文化にも色々ある。戦いに強い文化と戦わない文化があり、戦わない文化の人々は戦わずして自らの生活基盤を失うことになったり、侵略者の奴隷になったり、侵略者の支配のもとで暮らすことになる。ヨーロッパの海外進出の歴史は侵略の歴史でもあった。最後が中国大陸だった。そこで日本もその真似をしようとしたが、そうはならなかった。
 話を戻して「古き良き時代」とは何だ?アメリカのような新しい国の古き良き時代は、そう古くない。古い時代はそんなに良き時代だったのか。今はよくないのか。アメリカの古き良き時代とは、そんなものがあったとすれば、先住民族を征服し、黒人奴隷をつれて来て土地を開拓し、自分たちが暮らしやすくすることができた時代のことだろう。随分身勝手ではないか。
 では先住民族に言わせれば、古き良き時代とはヨーロッパからの侵入者が来る前の時代。バッファロー達と共存していた時代ということになるだろう。いまでは仕方なく、侵略者の文化の中に溶け込んでいるが、お年寄りたちは昔を懐かしんでいるはずだ。
 日本の古き良き時代っていつだろう。明治?大正デモクラシー?戦後の高度経済成長期?人によって違うということだろうか。中国となるともっと難しい。これから良き時代になるようになってほしい。