天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

One Day at a Time

 Danielle Steelの小説。二人姉妹の妹は、法律学校を途中でやめてDog Walker(犬の散歩をさせる仕事)をしている。父はハリウッドの映画界で著名なプロデューサーであったが他界して久しい。母は売れっ子小説家。姉は父のような映画プロデューサー。その妹が犬の世話をして暮らしているというので、いつも母や姉の非難を浴びていた。
 姉はレズビアンで女性のパートナーとサンフランシスコに御殿のような家を建てて暮らしている。その二人が仕事でしばらくニューヨークに行くことになったとき、そこの犬の世話と留守番を兼ねて妹(愛称Cocoココ)に来てもらうことにした。
 Cocoが姉の家に来てみると、もう一人客がいた。ハリウッドの二枚目大スターで、女性問題でロサンゼルスからそこに身を隠しに来たところであった。ということで、そこから二人の恋物語。ココはサーファーの彼氏を事故で亡くしたところであったが、その二枚目(レズリー)の誠実で真摯な面に引かれる。彼には前の妻との間に3歳の娘がいるが、最後のところでこの娘が二人のキューピット役になる。
 小説家の母には、息子ほどにも年の違う彼氏ができている。姉はレズビアンなので、ドナーからの精子を人工授精して妊娠し、てんやわんやで大きな男の子を主産する。などなど、普通に暮らしている一般人にはあまり無いことが色々と起こる。しかしそれは小説だから何が起きてもいいのであって、問題はそういう場面設定の中で、人と人との触れ合い、思いやり、愛情などが描かれている、その心の動きや表現が読者を楽しませてくれる。勿論平易な英語もいい。
 この物語の登場人物の中の母は、ダニエル自身がモデルであろう。若い彼氏か夫が本当にいるのかどうか知らないが、以前「年の離れた男女の愛情は成り立つのか」という質問を投げたときに、「その愛が本物であれば何の問題もない」という答えが返ってきたのを思い出す。その立場に自分を置いて物語に登場させたのではあるまいか。いまだに「現役で」頑張る彼女の作品を読み続けるのも面白い。