天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

三国志第3巻

 吉川英治氏の三国志を読み続けている。第3巻を読んだところだが、毎巻末に解説文がついている。それによると、吉川氏は中国訪問をしている。この小説は三国志演義というのが原作というかもと本であり、この筋書きをアレンジして読みやすく、現代風にしたものだ。現代といっても昭和初期の頃の作品。
 吉川氏がこの小説の舞台となっている地域を訪れたのは昭和12年。南京大虐殺のあった年ではないか。氏は中国の古典を題材にした小説を書きながら、当時の現実を目の当たりにしてどのように感じたのだろうか。本当のところが知りたい。
 当時の日本軍に従軍記者としてついていたのだ。当時の軍部を否定するのであれば、従軍記者など到底できるものではないのではないだろうか。それともあくまでも冷静な目で現実見る目的で従軍していたのだろうか。そもそも、従軍なんとかというのは、戦意鼓舞のために行われた活動のはず。
 氏は、現実を認めていたのだろうか。中国の古典は古典の世界であり、現実は日本が侵出すべき土地柄であり、抵抗する中国人は抹殺して民族支配をすることを認めていたのであろうか。もしそうだとすると、これ程多くの人に読まれるような文章を書く人がそうであったとは、残念でならない。元々、三国志演義がよくできた筋書きなので、吉川版もよく読まれているというだけなのだろうか。
 とりあえず読み続けるが、機会があればそこのところ、すなわち吉川氏のスタンスを確認する作業をしてみたい。