天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

柴錬痛快文庫「三国志」

 柴田錬三郎という名だたる作家が書く「三国志」とはどんなものだろう。文庫本1冊分でどのような物語になっているのだろう。と思って読み始めたら、何か子供だましのような雰囲気もする、というのがはじめの印象。
 それもそのはず、この「柴錬痛快文庫」というのは児童向けに柴田錬三郎が書いたもので、「由井正雪」に続く第二弾であるということがあとがきを読んでわかった。
 読み進むうちに、三国志の見せどころ、読ませどころといったシーンを取り上げて、少年向けにその登場人物の心情を分かりやすく解説していることが読み取れる。
 チャンバラ作家というような印象を持っていた柴田錬三郎であるが、実は中国の古典を深く研究している人だった。その彼が、少年たちの為に三国志の入門書として書いたものだった。物語自体は、赤壁の戦いまでで終わっているが、十分に入門書の役割は果たしていると思われる。
 短い中でも、劉備玄徳、関羽張飛らの人となりがよく分かるし、諸葛孔明が優れた人物であったこと、とりわけ曹操がなかなかの人物として描かれているように見えた。子供たちがこの本から、中国の歴史・風土に興味を持つようになるのはいいことだろう。
 子供向けといえば、「四大名著児童版三国志演義」という本を中国で買ったのだった。勿論中国語で書かれている。しかも登場人物が可愛い漫画で書かれている。そろそろこちらの本を読んでみようか。これが読める程度には中国語が見についたのではなかろうか。