天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

マーティン もと子 さん

 特に予定の無い土曜日。週間ブックレビューを見てから自室に戻り、何気なく封を切ったAGORAという雑誌。JALから時々(毎月か)送られてくる冊子だ。この冊子は、なかなか優れ物と思っているのでいつも一通り記事を確認している。
 今月号の記事を見て、まずリスボンイワシは美味しいそうだと感じる。次に何やら日本人女性の写真が出ているページがあるので確認すると「医師 マーティン もと子」とタイトルされた記事。一気に読んだ。感動した!早速Google検索してみると、彼女のブログを発見。(記事にもアドレスが書いてあった。)
 AGORAを見る機会の無い人のために、簡単に紹介させてもらおう。ご本人にはブログ上で一方的にご了解を頂いた。つもり。
 この方は、日本初の女性航空管制官であった由。11年この仕事をしたうえで、沖縄で米軍兵と結婚しアメリカに渡った。ここのところまでが、さらりと書いてあるが、これってとても大変なことだったろう。
 アメリカに帰った夫と共に、医師になる勉強を始めたのだ。そこでこの夫たる人物が気になる。あまり書かれていないが、アーミーだかネイビーだか知らないが、米兵という「職業?」をやめて、妻帯して子供までいるのに、医学校に行こうという発想はアメリカならではの感じがする。日本でも医学部の場合、レイトスタートの人たちがいる。現に自分の大学時代の友人で、会社を辞めて医学部に行き直して医者になっている友人もいる。
 アメリカ人と言えども、そういう行動をする人は少ないはずで、そんな人だからこそ沖縄でもと子さんは恋に落ちたのだろう。あるいは共に生きることを決めたのだと思う。
 ともあれ、幼子をかかえて二人して学校に通った。生活は苦しいはずであるが、そういうことができるというのがアメリカの良さなのかもしれない。年齢も若くは無いはずなのに、そういう行動をすることに二人の決意というものが感じられる。
 今は、彼女は5人の子供たちとテキサス州エルパソの自宅に住んで、病院勤務をしている。夫は別の場所に単身赴任らしい。医師でも勤め人となるとどうしてもこういう状態になるのか。二人がそれぞれ自立して仕事をしていれば、こうなることも自然に受け入れるのかもしれない。
 更に驚くのは、もと子さんはまだ進化する努力を続けている。最近日本での医師資格試験にも合格したとのこと。日本でも診療ができるのだ。これにより、アメリカでの最新医療を日本で生かすことをするというかけ橋になれれば、という希望があるとのこと。色々障壁もあろうが、ここまで頑張っている人なのだから、今後も頑張り続けるのだろう。家事は18歳になった長女が仕切っているという。
 Danielle Steelの「Good Woman」という小説を読み終えたところであるが、図らずもこの小説の主人公の女性Annabelleも医師だ。小説の時代的には女医という存在自体がめずらしいころ。子供を抱えて医学校に通うところなど、もと子さんと似ている。というか、もと子さんは実在でありAnnabelleの方は小説。現実のGood Womanがマーティンもと子さんという訳だ。「事実は小説より奇なり」という言葉があるが、どちらが「奇」かといえばこの場合、小説の方がタイタニック号の事件から始まり、あまりにも事件でハラハラなので小説の方が奇想天外であはるが、実在のGood Womanの方が心に響く。
 Good Womanにエールを送ろう。