天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

開平の番組

 中国広東省の開平に1833もの楼閣があり、2007年に世界遺産になった。一昨年これの一部を見に行ったが、その由来を説明した番組が放映された。そのビデオを貸していただいたので見てみた。開平の土地柄などを知ると、改めて行ってみたくなる。香港へ繋がる川の風景もよかった。その昔、この川を下って香港へ出て、そこから海外へ仕事を求めて出て行った華僑と言われた人たちの原風景のような感じだ。とくに、ここ開平はアメリカやカナダへ渡り、ゴールドラッシュと言われた時代の労働者として働いたのだ。安い賃金で重労働をし、国に、家族にお金を送る。商売などで成功した人たちは、富を持ち帰ってこういった楼閣を建てた。
 この地域は、海外へ行く人も多かったし、海外からの客も多かった。海外からは、貿易商人ばかりでなく、その荒手の盗賊もいた。その中には倭寇も含まれていたに違いない。
 この写真は、まだ観光地化されていない畑の中の楼閣を撮ったもの。
このような楼閣の始まりは、盗賊の襲撃に対して村人が身を守るために立てこもる建物として作られたらしい。初期のものは、窓が鉄製で外部からの攻撃に耐えられるようになっており、見晴らしもよく作ってあった。それが、このような西洋建築のようになったのは、海外から帰った人たちが外国の建物を真似て大工に作らせたことからはじまった。中の家具調度も輸入品らしい。
 当時は、お金を稼ぐためには外国に行くことが必要だった。国内ではこのような建物を建てられるほどの賃金がもらえなかった。海外で、辛い苦しい仕事をすれば、国にいるよりもはるかに高い賃金がもらえた。今の中国は、簡単に外国には出られない。その代わり、奥地から沿岸部に出てくることで仕事にありつくようになった。
 これからも、中国から海外に出ようという人はいるであろうが、昔のようにヤミクモに出て行くのではなく、留学とか研修というルートで出て行き、仕事を身に付けて帰るというパターンが多いのだろう。肉体労働の提供なら国内で働くことで、十分に田舎よりも多い賃金を得られるのだ。