天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

台湾問題

 「中国人の歴史観」と言う本がある。劉傑という人が書いている。現在は早稲田大学の教授。北京生まれの中国人。これを読んでいると、確かに中国の近代史について、日本の歴史家や学者が書いたものと視点が少し違い、捉え方が異なる気がする。とても興味深い。
 この本の中でよく述べられているのが、中国の外交政策。香港とマカオが返還され、次第にもとの領土が回復しつつある。そして現在の課題としては台湾。ここに対して、米国が武器を売ると言うニュースが先日流れたので、中国は激しく反応している。それもそのはず、1972年に当時の米大統領ニクソンが訪中した際、台湾問題に関する五つのスタンスをまとめた。その中に「平和的手段による台湾問題解決のあらゆる努力を支持し、台湾の軍事力による大陸反攻を支持しない」としている。それなのに、台湾に武器を売ろうというのは、裏切り行為に等しい。
 米国は、行き詰まった経済の建て直しに、売れるものは誰にでも売りたいということだろうが、節操が無さ過ぎる。
 節操と言えば、日本も、中華人民共和国が世界に認められた時点でこちらを承認し、同時に台湾との国交を切った経緯がある。これも台湾側からすれば「なんだ」ということになったはずだが、これは政治の問題であって経済関係は継続してきている。
 この台湾問題は、やはり外部からとやかく言う問題ではないと思う。特に現代のようにどちらかが対外的に危険な行動をとる怖れのある国・地域ではない以上。かつ統一すべきという両者の意思がある限り、当事者同士の問題だ。双方が同じレベルの意識になったとき歩み寄るはずのもの。経済面ではすでに実態としての協力関係が出来上がりつつあるのだから。
 ということで、私は今後は台湾もウォッチするかというと、そうでもない。やはり本体の中国、特に内陸の方の安定化と底上げが現代の中国の内側の安定の最大課題であると思うからだ。