天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

自家用車

 自動車の功罪について、経済学的見地から見ると、自家用車について言えば罪の方が大きいらしい。エネルギーを無駄に消費して、地球環境が壊れ、自動車事故のもとという訳だ。子供の頃、まだ我が家に自家用車など無かった頃、「狭い日本に自動車など要らない。みんなが車を持ったら狭くなって走れないじゃないか」という意見があったらしい。そのような意見に対抗して、車専用に広い道路がどんどん造られ、土木建築業が儲かり、車屋さんが儲かった。いわゆるモータリゼーションの時代を経過した。
 自分も子供が生まれると同時に新車を1台購入した。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんのところへ行ったり来たりするためだった。以後、車は生活の中に入ってしまい、あたりまえのように使っている。住まいが都心でないことから、使用頻度も多い。
 時代は流れ、車自体が随分進化した。昔は、車は単なる機械であり、オイル交換から簡単なメンテナンスは自分でやった。エンジンに動輪がくっついて、ハンドルとギアチェンジがあるだけ、みたいな感じだった。スポーティーな走りを、自分の運転技量で楽しむというつもりで、ギアはマニュアルシフト。休日に車をいじるのが楽しみでもあった。それが今はコンピュータ制御された電子機器のような様相を呈している。
 最近乗り換えた車で、一番驚いたのはスターターを始動させるのが、キーではなくて「ボタンを押す」という仕掛けに変わっていたこと。キーは持っているだけ。キーを持っている人が近づくと、ドアの開閉などがセンサーによりできるようになる。カーナビなども機能が色々。ナビゲーション機能だけでなく、テレビ、ラジオ、オーディオは当たり前。オーディオも一度読ませたCDはどんどん中に取り込むので、CDの出し入れなどはほとんど不要となる。ネットからダウンロードもできるようだが、機能をまだ十分使いこなしていない。使わなくても日常の車の使用には支障が無い。
 至れりつくせりの仕様。エンジンの小さい軽自動車なども、電子機器に関しては同じような装備を設定できるのだろう。勿論、安全性に対する配慮も進んでいる。シートベルトの操作性、エアバックは前だけでなく左右にも。後方のカメラで、バックが見え、路地から車が顔を出すときに、先端につけたカメラで運転席から見えない視界を確認できる車もある。
 安全性の点では、車の作りが効を奏したのかどうか、昨年度の自動車事故の死亡者数が5000人を割ったとか。これは、いいニュースだ。車の装備だけでなく、酒気帯び運転の罰則が厳しくなったとか、当局の努力も含め色々な取り組みの結果であろう。
 そこへゆくと中国はまだまだ。交通事故の発生頻度は高い。車自体は海外メーカーが入り、合弁工場で世界のトップクラスの車が生産され、販売されている。富裕層で自家用車を買う人が増え、それにつれて事故も増えている。高速道路を歩いて横切る人や、無理な割り込み運転などはザラに見かける。広州では人がはねられる瞬間も見たことがある。死亡事故の場合の最低補償金額がまだ低いためか、自動車保険などの付保率も低そうだ。ドライバーと歩行者双方への安全教育が課題だ。
 こうして見ると、この面でも先に交通事故戦争と呼ばれた状況を経験し、事故を減らしてきた日本が、お手伝いすることはいくらでもありそうだ。