天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

借りた本「レッド・ゾーン」

 本を読んでいると、途中でついそれについて何か書きたくなる。今回は借りた本。というよりも、私が中国好きとご存知の先輩が、中国と日本の関係の小説ということもあり、「面白いから」と貸して下さった。この夏、北京・天津に一緒に旅行させてもらい、その後すっかり中国仲間になられた方。早速このような本を読んで、貸してくださるとは嬉しいかぎり。
 で、どんな本やねん。「レッド・ゾーン」(上・下)真山仁著。2冊目の真中過ぎまで読んで、まさにこれからクライマックス。筋書きは中国マネーが日本最大手の自動車会社を買いに来る話。不景気になると会社を売った買ったという話が多くなるが、その舞台裏が面白おかしく書かれている、といったところか。ホントーかな?ホントにこんなことがあるのだろうか、と思うような出来事や人の動きが面白い。登場人物の心理描写も面白いし、主人公が善玉というのは大抵の場合そうで、この本においてもたがわないのだが、そこのところも特に本当かな、と思わせる。
 フィクションなので、ホントーでないことは明らかだが、事実は小説より奇なりということもある。事実そういうものだということを見たり、もしくは体感したと思ったこともある。ということを考えると、この本のようなことは程度の大小はあれ、似たようなことが起きているのかもしてない。と思わせるところが面白い。
 筋書きのほかにも、読んでいてムムと思うところが時々ある。例えば、
「自らの信念だけで生きるとの難しさを改めて噛みしめていた」と登場人物の心境が書かれている箇所。その時々の自らの心情に似た部分があると共感する。このくだりは何気なく読めば当たり前のことだが、このストーリーの流れからは、信念を持って生きることの尊さを述べているようにも思える。そういう部分も面白い。
 昔の城山三郎の小説も、実社会を舞台にした中で、自分の行き方を貫こうとしている人物を描いていたようだが、そこに通じるものも感じられる。
 では最後まで読むことにしよう。