天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

読書遍歴(1)パールバックの「大地」

 パールバックの大地。これは古典と言ってもいいくらい前に書かれた小説。書いたのはアメリカ人なのに、中国人になりきっている。革命前当時の中国人の生活や意識をよく捉えている。そして革命によって社会が変化していく中で、中国人が感じていたことをまるで体感したかのような書きぶりで書いていることに驚く。
 ここに書かれている人たちはお金持ちになった人たちのこと。はじめは農民だった王龍は、彼の勤勉と才覚によって財産を築く。そしてその子供、孫たちはそのおかげで豊かな中国人として様々な経験をしてゆく。この流れは今でもあるだろうか。あると思う。中国だけでなく、どこの国にもある。特に未成熟の国にあるのではないだろうか。
 今の日本においてはどうだろうか。9割が中流意識だった頃と比べて、格差が広がったと言われるが、所詮庶民の中での話しだ。お母さんからもらう小遣いが9億円、という人たちが別格の金持ちなのだ。それ以外の人たちは、多少の生活レベルの差があっても、成功を求める集団。何が成功で何が幸せかという話は今日は置く。富むことを目指すように教育されてきた集団なのだ。
 パールバックが描いた頃の中国では、庶民が農民で、王さんのような人がいたわけだが、今の日本では農村人口が減ってしまって、農村以外に庶民が沢山いる。その庶民が成功を目指す方法がベンチャー企業ではないだろうか。日本は起業家が米国に比べて少ないと言われていたが、今でもそうだろうか。米国比では少ないかもしれないが、次第に増えてきていると思う。自分もトライしたいと思うくらいだから。また増えざるを得ない環境になってもいる。
 ともあれ、中国は今や大国ではあるが、成熟した国ではない。だから面白いのだと思う。一般的に言われる中国人気質というものは、これから成熟化社会に向かって変化をするだろうか。私の一つのトライは、直接中国庶民とお付き合いをして、何らかの影響をおよぼしたいということだ。勿論いい方向への影響。何がいい方向かと言われれば、食べるために惨めな思いをしないですむ生活への道筋だ。偽善的かもしれないが、トライだ。すでに日本界隈で稼いだり観光したりしている人たちは何も心配は要らない。
 話がすぐに外れる。これが自分の正体か。道も外すだろうか。