天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

農民工

 中国の農村から沿岸部の工場などへ出稼ぎに行く人のことを「農民工」と呼ぶ。貧しい農村からお金を稼ぎに都市部へ出ることは、農村の人たちにとって今や普通のことになっている。
 田舎で中学を出て工場で働く女性たちは沢山いる。その人たちを取材した本もある。農村で結婚し、子育てをしているが、生活費が足らなくて親たちが出稼ぎに出るというパターンも相当多い。田舎に残された子供達は「留守児童」と呼ばれている。その数は5800万人とも言われている。数えられる数字でこれということは、数えられない子供達がいることを考えると、確実にそれ以上いるはずだ。
 中国の富裕層が1億人いるという説があるが。この子供たちの親の数だけでこれを軽く超える。子供の数の2倍いるわけだから。夫婦で出稼ぎというのも珍しくない。農村では、ばあちゃんが子育てをし、じいちゃんが細々と農業をしているという場所も多い。
 農村の留守児童たちが通う小学校は、決して恵まれた環境にない。先生たちの待遇もそれほど良くないらしい。そこで、海外からそのような学校に援助の手が伸びる。
 アメリカのスポーツ用品メーカーなどは、自社のマークの入った用品を配る。一種の先行投資的宣伝費とも言える。子供達が大きくなったら、そのメーカーの製品を喜んで買うだろう。日本の保険会社でもそのような行動に出た会社があるらしい。保険の普及に役立つだろうか。中国への貢献を中国政府にアピールして、中国における自社の保険事業の展開をしやすくするのが目的だろう。
 農民工の子供たちに対して、何もしないよりはしてあげるほうがいいだろう。ボランティア系の団体で、そういう活動をしている団体があることも知っている。しかし、それはいかにも対処療法的であり、焼け石に水。企業による支援というのは見返りを考慮しているだけのこと。
 本当の解決は、農村の生活が農業で成り立つようになることだろう。これは政策の問題でもある。日本もそういう点では決して農政がしっかりしている訳ではない。農民を文字通り「食い物」にしている団体がある。
 農民は概して中国でも日本でも純朴な人たちだ。自然を相手に体を使ってコツコツ働く。余計なことは考えない、それで代々暮らしてきた。純朴にならざるを得ない。そういう人たちから重税をまきあげてきた歴史が中国にはある。どの国もそうだったのだろうが、今やヨーロッパの農業風景などをテレビで見ると様子が明るい。「明るい農村」そのもの。そういうタイトルの番組が昔あったが、今はそういう番組が無い。そういう農村がほとんど無いので番組が成り立たないのだろう。
 しかし、先日米作りでまじめにコツコツ工夫していいお米を作る人の紹介番組を見て感動した。商品価値の高い作物を工夫して作るのだ。中国の農村でもそういう発想、創意工夫で何とかならないものか。
 昔、上海でスイカが高値で売れると聞いたら、みんながスイカばかり作るようになって値崩れしたという話があるが、今もそういう傾向がありそう。もう少し情報収集をして工夫をする道はないものか。