天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中国鉄道大紀行

 2007年の春と秋の2回に分けて、俳優関口知宏さんの中国鉄道の旅の番組が放映された。その様子が4冊の、写真とスケッチで綴られた本になっている。毎回番組を楽しんで見ていた記憶をたどりながら、本でおさらいをすると、ほのぼのとした中国の一般の人々と関口さんとのふれあいが思われて楽しい。
 本では、番組では表現しきれなかった関口さん本人の思いが随所にコメントされている。番組を見て、中国が好きになった、あるいは行ってみたいと思った人は多いはずだ。が彼は結びのところで、中国の評価はそんな簡単なものではないことを自身の言葉で書いている。冷静なコメントだ、と思うと同時に多少なりとも中国を1人で歩いた経験に照らして、「ご苦労様でした」という言葉が出る。
 中国の印象というと、私の周りでも必ずしも良くない。経済の面では、「中国は世界の工場」であることを認めつつ、中国のお土産のお菓子などは食べたがらない。味覚の違いの問題よりも、食品衛生の問題を強く意識する人が多いからだ。また、中国での仕事の現場の困難さなどが取りざたされる。
 しかし、同様の問題は日本でも食品偽装が有るし、役人の汚職も有る。隣の国を毛嫌いするほど日本が清廉潔白な国かというと、そうではない。こと中国に関する限り、今や世界の経済にとって大きな影響を持つ存在になったことは事実であるし、日本との関係については、目先の出来事だけでなく、大きな歴史の流れの中で見る視点を忘れてはならない。
 関口さんの言う「零へかえる」ということは、心空しくして偏見なく物事を見ることの大切さを、中国の旅で感じたということなのだ。
 また触れあいを求める旅がしたくなった。