天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

過去負う者

 久しぶりに東中野のポレポレ座に行った。東中野のカフェで笛のレッスンが有ったので、行きがけ にチェックしておいた映画を見た。

 「過去負う者」というタイトルで、受刑者が刑期を終えた後に社会生活に戻れるように支援する人たちの話。終わってから出演者とのトーク会があった。

 犯罪を犯して刑務所に入り、刑期を終えて出所した人達の再犯率は、日本の場合50%だそう。先進国の中では大きな数字。この点でも日本は酷い国になっているのか。

 映画は、そうした人たちの更生を助けようという雑誌、チェンジの編集者たちの話。出てくるのはひき逃げ犯、放火、ドラッグ、児童わいせつなどの罪で収監され、刑期を終えた人たち。チェンジの取り組みとして、更生するための手助けとして、彼らに劇をやってもらうというワークショップを行う。劇の練習だけでなく、実際に公演をした。観客は、彼らの罪の被害者だったり、チェンジの事務所の近隣の人たち。あるいはこの取り組みに興味を持ってきた人。

 観劇の後に討論会をやった。ところ、彼らの取り組みに理解を示して感動するのかと思いきや、死んだ息子は帰ってこない、近くに元犯罪者がいると思うと、再犯の心配があってやはり恐い。と言う意見が圧倒的だった。演技者の中には、そうした反応に切れそうになるものも。

 観客が帰ったあと、職員の中には「もうやってられない」と言う人も出る。最後は、それでも今回の試みはやって良かったのだと、皆を励ます人がいて幕。

 今見たその人たちが、映画終了後に舞台に登壇した。元受刑者役ではなく、皆職員役の人たち。左端の男性は、編集長でこの組織のリーダー役だが、実社会の職業は弁護士だそう。なるほど実務で元受刑者に接する機会があるんだ。

 他の人たちは、保母さんだったり、介護士の経験をもつ役者さん。

 私は、映画の出来が良かったせいか、実際にこうした組織があるのだろうか。そこが気になって、質問しようかと思いきや、携帯電話が鳴ったので出てきてしまった。

 しかし質問者の中に、即ち数少ない映画鑑賞者の中に、保護司だと言う人がいた。保護司って、実際これに似たようなことをしている人のはず。組織的な取り組みかどうか分からないが、元受刑者や少年院を出た若者に世話を焼く人がいるんだ。

 そしてこの映画は、台本の無い映画だそう。筋書きと役割を知らされた俳優が、自分の言葉でその場その場を演じていたのだ。斬新な取り組みで、社会性のあるストーリーだからなおさら演技者の人柄が出る。

 さて、自分も保護司ってできるかな、と思ったら65歳以下が原則というので、はなから対象外。実際、自分の家族・友人たちや二胡友(二胡関連で知り合った人たち)の心配をするので精一杯。ちょっとそれ以上のことをこの年齢で出来ると思わない方が良さそう。

 というわけで、岡崎の姉に電話してみたら、まあまあ落ち着いて暮らしているようでいのだが、”物を盗る女”がいると思い込んでいる点は相変わらず。猫を自分で長野にもらいに行こうとしている、と話しているが本気かどうか分からない。けれどもとりあえず落ち着いている様子なので、長野の家が落ち着いたらまたウナギ食べがてら行って見るか。