天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

月琴

 前回の二胡のレッスンの後、亀戸まで月琴を見に出かけた。ネットで見つけたワークショップで、面白そうなので二胡仲間に声かけしたところ、3人で行くことになった。
 場所は亀戸のEAT CAFE ANZUというお店。行って見ると、ホシノさんという方が小学生の女の子に月琴の手ほどきをしていた。まずはお店のランチメニューを注文。まぐろアボカド丼に飲み物をつけて700円と安くておいしい。さすが亀戸、と言っていいかどうか。下町の雰囲気漂う街並みがあっていい感じ。初めて降りた。


 食事してゆっくり月琴を見せてもらった。そもそも月琴は中国の楽器で、二胡と一緒に演奏されているのを見たことがあるので、どんな楽器か少し興味があったのだ。前回中国の楽器屋さんに並んでいるのを見たときは、エレキ月琴になっていて、こんな楽器まで近代化するのかと感じたものだった。
 そしてお店で実際に手に取ってみると、軽い、薄い、意外と小型。聞くとこれらは日本の古い時代の月琴で、壊れて蔵に眠っているようなものをホシノさんが修理し再生させたものらしい。
 ホシノさんから日本の月琴にまつわる話をいろいろ聞いた。月琴は坂本竜馬の恋人のおりょうさんが好んで弾いた楽器であったとか。また、明治時代以降に世の中に物申す壮士が、演説をぶつと警官に捕まるので、この月琴を抱えて風刺歌を唄ったとか。のちにバイオリンでそれをやる人も現れた。
 楽器の構造はいたって簡単で、同じ音を出すように調整した弦を日本ずつ張って、マンドリンのように二本一度にピックで弾く。ピックはギターと同じものでもいいが、月琴用は右手の指3本でもつ長めのものがある。
 話を聞いているうちに、三々五々人が集まってくる。ホシノさんに直してもらった古いマイゲッキンを持った人。月琴ばかりでなく、怪しげなヤシ胡をボロボロの弓でこすっている人。みんなでホシノさんが用意した譜面で昔の曲を演奏して楽しんでいる。譜面は工尺譜というものだが、数字譜に書き換えたものもあったので、私も持っていた二胡で参加してみた。
 むつかしい曲ではないので、皆で弾けたということで大満足。我々3人も月琴の弾き方を教わり、キラキラ星が弾けたら「はい、初級合格」だって。
 しばらくして現れた若者は、自作の三味線をもってきた。それが、空き缶に棹をつけてテグス糸を張ったもの。そういえば、中国の公園で空き缶でできた二胡を弾いているおじさんがいたのを思い出した。まだ二胡を正しく知らない時だったが、音色にひかれていった先に空き缶を抱えたおじさんがいたのだった。
 実に緩い集まりで、お店も実は以前は木型工場で、ロケットや車の曲線部分の木型を作る町工場だったとか。
 もう一度行ってみたいところ。
 ホームページは、月のあしび。 https://goo.gl/WrPjYH
 写真上が日本の月琴。下が中国のお店の写真。