天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

有志の会

 熊本の地震が未だ落ち着いていない。そういう中ではあるが、先週末に出かけた早稲田有志の会の第二回講演会の記録をしておこう。

 しかし、高田馬場から早稲田までの道を歩きながら、40年以上前に卒業した時はこういう形でまた母校に来るとは想像だにしなかった。と思っていたら、今日の講師の佐藤学さんも43年ぶりりに街頭に出たが、こういうことになるとは思わなかったと同じような感想を話された。佐藤さんは学者でありながら、もはや社会運動家のように訪問先のアメリカでも見られていたとのことだ。そうならざるを得ない情勢にあるということだ。
 さて、今回の学習は安倍政権の教育行政についてだった。
テーマ「安倍政権の教育政策と安保法制」
講演1:講師 佐藤学 学習院大学教授
 戦争する国づくりと国益中心の教育改革によって深まる子供と教師の危機
講演2:講師 勝野正章 東京大学大学院教育学研究科・教授
 安倍政権による教育改革の検証ー子どもの権利と教師の自律性の視点から
 というこで、二人の教育学の専門家が今の安倍政権の教育政策を語った。二人の主張はほぼ同じ。教育行政の右傾化に警鐘を鳴らしている。
 安倍政権になって、第一次安倍政権で改悪された「新教育基本法」を「教育再生実行本部」を諮問機関として全面実施してゆこうというもの。この「教育再生実行本部」は日本会議の構成員からなるもので、安倍のよいしょ軍団。
戦後の日本の教育は、平和主義、個人中心のものであったが、それを国益中心にしていこうというので、教科書を統制し、国旗の掲揚を義務付けようとする。戦前の教育勅語もどきの政策で、国民を洗脳しようとしているかのようだ。
 そのための情報操作はすごい。たとえばいじめの問題。昔はいじめの問題というのは無かった。自分が中学生くらいのころ、今でいえば一種のいじめみたいなことを遊びでやっていた。遊びであった理由は、標的は順番で誰がやられるか油断も隙もない状態だったし、ゲームのようなことをしていた。
 ともあれ、1983年まではいじめの件数などを数えていなかったらしい。また、子供が自殺するといじめが無かったかどうか、教師の監督はどうだったかという問題が取りざたされるが、いじめが原因で自殺するのは子供の自殺の1%だけらしい。ほかの原因を無視して、教師のあり方を国の統制に従うようなおとなしいものに仕立てるためともとられかねない有様。
 実際には戦後、少年犯罪というのはずいぶん減ってきている。そこでいじめという概念をクローズアップして問題視し、教育統制に利用しているように見えるということらしい。
 教育に本当に必要なのは、教育への志。志を持って教師になった人を大切にすること。それとお金。教育投資の額が小さすぎる。
 日本の中学生の大半は30人以上のクラスで勉強するが、世界の主要国の中学生は大半が30名以下の人数のクラスだそうだ。また、大学生の26%が奨学金の世話になっているが、今の奨学金は返済が必要な年利3%のローンだ。卒業と同時に500万円の借金を年利3%で返済してゆく負担を背負う若者が多い。これでは結婚もできない。
 いつの間にか日本はひどい国になっている。特に若者には厳しい。借金が返せない若者は自衛隊に入るという図式が恐ろしい。