若者たち
昨日のこと。Facebookでフォローしている、若手の中国法制の研究者の講演が聞けるというので、二胡の練習会をした後で九段下まで行ってみた。
場所は寺島文庫カフェみねるば、とあった。講師は中国法政大学大学院で博士課程修了し、博士号を取得した高橋孝治氏。
「習近平の法思想」と題する話だった。詳しい内容は、せっかく聞いたのでまた別途整理してみたいが、中国の法運用についてとても分かりやすい説明だった。
申し込んだ時点では、気にしていなかったが、主催者は多摩大学の面々。この寺島文庫というのも多摩大学の寺島実郎という人の活動拠点だった。そこに高橋氏が招かれて講演をした。その場面にたまたま私が紛れ込んだ。
オープン講座だが、社会人があまり集まらないせいか、多摩大学の学生たちが動員されて、30人ぐらいの席は満席になっていた。
講演終了後に、主催者の金美徳教授の誘いで、講師と社会人参加者3名+幹事の6名で簡単な飲み会を持った。普通はこういうのに参加するタチではないが、今回は講師と少し雑談をしてみたかったので、誘いに乗ってみた。
講師や社会人参加者と言っても、30代の息子世代の若者。講師の高橋氏は、柔軟な思考力で学者として正攻法で物事を追及する姿勢がうかがわれ、中国側からも評価が高い。飲み会参加の自分以外の2名もそれぞれ仕事を持ちながら、こうした学習会に来ようという意欲のある若者。
こうした若者たちがいることで、日本もまだ大丈夫だろうかと思える。特に、講師の高橋氏は法制を研究しているだけあって、日本の政治についても冷静に批判的な目を持っている。彼のサイトを紹介しておこう。
https://ameblo.jp/takahashi-chinese-law/
ところで、こうした交流会にお邪魔虫でも参加すると、色々な情報が得られる。例えば、日本には脱北者が300人来て暮らしているとか。脱北者というのは、韓国に逃げた時点で韓国籍になるので、そこから韓国人としてどこにでも行ける。元々同じ国なのだから、当たり前と言えば当たり前。
主催者の金氏は、これからは人の評価は民族や国籍ではなく、個々の人となりで見るべきというリベラルな考えをもっている。その考えには全く同感。自分も常々そう考えているところ。元々日本人は、ルーツをたどればアジア各地から流れ着いた人たちばかり。そこにヘイトスピーチをする集団がいる。自分たちの先祖をけなしている訳だ。彼らは、頭が悪いか洗脳されている。金氏によれば、彼らこそ格差社会の中で浮かび上がれない不満を、自分たちより下と見る人をか勝手に作り、日頃の不満をそこにぶつけている。ぶつける相手が違う。こんな行動に参加する若者もいると思うと嘆かわしい。教育の貧困でもあり、政権のデマ宣伝を見抜けない者たち。
メディアが政権に忖度したり、報道統制に従ったりすることにも、認識不測の若者が増える要因だろう。
市民運動の先頭に立った若者たちもいる。しかし、彼らにもちゃんと分かっていてもらいたいのは、政権交代が最終目的ではないこと。今の安倍政権は、今回の内閣の面々を見ても分かるように、あのグループにはあんなのしかいないということ。さすがの従順なメディアも批判的に見ざるを得ない。
政権交代後の日本を、どのように立て直すか、その道筋を検討する時期に来ている。そういうことを研究している若者もいるだろうことを期待したい。