天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

私は真実が知りたい 赤木雅子/相澤冬樹

 私も真実が知りたくてこの本を注文しました。本日届いて一気に読ませてもらいました。

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 赤木雅子さんは、森友問題の文書改ざんを苦にして自殺した近畿財務局の赤木俊夫さんの奥さん。共著となっている相澤冬樹氏はジャーナリスト。もともとはNHKの記者だったが、森友問題に関して真実の報道をNHK本部から拒否されて退職。

 本の中身は、ジャーナリスト相澤氏の構成のはず。赤木氏の自殺直後から奥さんの雅子さんとのやりとりの経緯を含め、雅子さんの肉声や関連する人々の反応がすべて実名で記されている。

 出版日は今月の15日。この日から、赤木さんの訴訟に対する裁判が始まっている。

妻の雅子さん(49)は、改ざんを指示したとされる佐川宣寿元理財局長と国に対し、あわせておよそ1億1,000万円の損害賠償を求めている。

 訴えの目的は、損害賠償のお金ではなく「真実を知りたい」ということ。訴えに至る経緯もこの本に書かれている。当初は財務局の弁護士に相談していたが、結局は庶民の味方に実績のある弁護士に変わる。

 自殺した赤木さんは、文書改ざんの経緯を書いた手記を記していたが、すぐには表に出されなかった。奥さんの雅子さんの周りの関係者の思惑が働いていたせい。雅子さんから見て、相澤氏も当初はマスコミの一部でにわかに信用できる相手ではなった。が相澤氏の根気の良い対応が、信頼を得てこの本の出版に至った。

 この問題は長く続くが、何一つ終わっていない。あまり関心を持たなかった人のために簡単に何が問題か、時系列に整理してみる。

 

 森友学園大阪市)をめぐる問題は大きく二つある。財務省近畿財務局が、大阪府豊中市の国有地を大幅値引きして売るまでの一連の土地取引と、この取引をめぐる決裁文書を財務省が改ざんした問題だ。発覚したのはそれぞれ2017年2月と18年3月。そして改ざんに関わった職員(赤木氏)の自殺。

1)そもそもが籠池氏が理事長を務めていた森友学園が近畿財務局から、不当に安い価格で国有地を買い求めたことに対し、野党からの追及が始まる。

 地中にゴミが埋まっており、その撤去費用を値引くという名目で8億円もの値引きがされた。その値引きの理由が、首相夫人の安倍昭恵氏が名誉校長となることで、籠池夫妻と昭恵氏の写真を籠池氏から財務局の担当者に見せたことから、急に風向きが変わり値引き交渉が進んだ。これを籠池氏は「神風が吹いた」と表現している。

 籠池氏は、森友学園の子供たちに教育勅語の朗読をさせたりする右翼であるが、嘘つきではない。そこで、値引き問題についての国会喚問などではありのままに話す。それをまずいと思った政権は彼を長期間にわたり逮捕拘禁する。

2)安倍首相は2018年に「自分もしくは妻が関与していたら辞職する」と発言。これを受けて当時の理財局長の佐川氏が、そうした記述のある記録をすべて消すよう改ざん命令を出す。その財務局の末端現場で改ざんさせられた職員が赤木さんだった。

3)赤木さんは正義感が強い真っ当な公務員で、自分がそのようなことをしてしまったことを悔やみ、今まで働いてきた財務局がそういうことをさせる組織だったことを遺憾に思うあまり、世の中に訴える手段として自殺を選んだ。誠実な人柄だったため、改ざんに至る経緯を手記としてまとめていた。

4)まとめられた手記はすぐに公表されることは無かった。一方で改ざんが明らかになった後、検察は関係した役人を不起訴とした。

 

再整理すると、

1、森友学園への国有地売却に際し、安倍昭恵氏の介在で不当な値下げが行われた。

2、この問題について安倍首相夫妻は関与していないというい嘘の国会発言があった。

3、この発言を受けて佐川理財局長が、関与を示す文書の改ざんを指示した。

4、財務局の中で関連者複数いる中、末端の赤木氏が実際に改ざん作業を行った。

5、赤木氏は不正を行うことを強制されたことを苦にして自殺。

6、奥さんの赤木雅子さん(実名)は、真相を知りたいと思いつつ自殺事件当初は真に信頼できる人が周囲におらず、夫の手記などをすぐに公開しなかった。

7、一方森友事件を当初から取材していた相澤記者の丁寧な対応に、心を開いて相談するようになり、手記の公開、不起訴となった佐川と国を相手取った訴訟(今年3月)となった。その公判が7月15日に開始。それと同時にこの本が出版された。

 

 つまりこの本は、単なる読みものではない。社会正義を守る戦いの一つの手段だ。上記に関して、安倍を首相の座にとどめるために本意不本意にかかわらず働いた人間はみな出世している。関連した財務局員を不起訴とした検察まで出世だ。その検察の大本で支持を出していたのが、この春麻雀で辞めざるを得なくなった黒川だ。

 黒川がいなくなった検察庁、正義が行われるかどうかようく国民が監視していかなくてはならない。

 最近はネット上に反映される国民の意見が無視できない状況になっている。

・そもそも安倍の守護神であった黒川を検事総長にするための定年延長法案はあまりに数多くの反対ツイートで廃案になった。

・つい最近ではアベノマスクの再配布があまりの不評に中止となり、希望する施設にとなった。

・森友問題の再調査も35万通の賛同がある。

 にもかかわらず麻生や安倍は終わった問題としている。再調査される側の言うことではない。

 日本に正義を取り戻すきっかけになるので、多くの人がこの本を読んで、訴訟の行方に関心を持ってもらいたい。