天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

村上海軍の娘(上)

 先輩から借りて読んでいる本。半分読んで、やはり大賞を取るだけあって面白い本だ。どこが面白いか、どう感じたか、前半だけで感じとった部分を書いておく。
 「庶民が生きると言うことは、諦めを知ることだ」という一言に痺れたね。生きる哀しみを知っている人だな。
 時代は、小田信長と一向一揆一向宗との戦いの時代。舞台は、瀬戸内海から大阪湾。そして今の大坂城のあたり。この地域の海を支配していた海賊が村上水軍と呼ばれた。そこのはねっかえりの娘が主人公だが、小田勢と一向宗との戦いの様子が、ビジュアルに描写されているところがすごい。今風な感じがする。アニメチックとも言える。
 実際にその場にいる人達が見ている視点ではなく、全体を俯瞰した状況が、臨場感を持って感じられる。そういうところが、現代人に受けるのだろう。本屋さん達はそういう見方もするので、本屋大賞を貰ったのかな。
 これは今風ではあるが、私はそういった面よりやはり、先に書いた言葉に痺れる。しかし、実際には庶民が生きることを悲しいものととらえるより、もっとポジティブに人生を見た方がいい。これは自分自身の生き方を考えた時のこと。自分以外の人達の場合、世界を見回すとおそらく自分より厳しい環境で生きている人達の方がずっと多いはず。そういう哀しみというものを理解していればこそ、面白おかしく物語が書けるのだろう。
 二冊目も読んで、また違う感想を持ったらまた書いておこう、