天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

とんちゃん

 東京のお隣の山梨では、ワインを作る葡萄の搾りかすで豚や牛を育て、ワイン豚とかワイン牛という命名で地元特産品として売られている。
 昨日は急に誘われてゴルフ場に行ってみると、前日わずかに降った雪が凍結していて、危ないのでクローズとなった。そこで一緒に行った仲間で、附近のワイン豚の店に行ってから日帰り温泉に寄って帰ることにした。
 ゴルフのコンペの賞品などで、時々手にするワイン豚。その店とはどんなところかと行って見ると、そこは豚の飼育場だった。寒いので、中央で火の炊かれている小屋の中で、枠の中に豚が並べられていた。その大きなことに驚いた。前後2メートルはありそうな豚が、枠の中で横たわっている。部屋の隅には子ブタもいる。
 豚の生産から精肉まで全部やってしまう場所のようだった。

すごい所があるもんだ。こういうのは育てる人、屠殺する仕事、そして加工業者から販売ルートにまわるとばかり思っていた。おまけに加工したロースハムまで出てきたので、ここまでやるのかと聞いてみると、さすがにハムの加工は専門業者に依頼しているようだった。
 それにしても育てて肉にして売ることまでやってしまう。通常は肉屋さんに卸すのだろうが、時々我々のようなモノ好きな連中がじかに買いに来るらしい。
 豚小屋の中に入ると、気配を察した豚たちがざわついて騒いでいた。おれたちを殺して食うやつがまた来たか、と怒っているようだった。餌をかき混ぜて作る機械の中にはパンがぐるぐるかき回されていた。ここに葡萄の搾りかすを混ぜるらしい。ブドウだけではないのか。
 食用のお肉になる過程などは、頭でわかっていても直接見てしまうとちょっとショッキングな感じだった。
 中国の路上の市場で、籠にぎゅうぎゅうに詰められた鶏達の横で、鳥肉をさばいて売っている光景を見たことがあるが、これの豚版が日本の田舎にもあるということだ。
 動物の肉を食するということがどういうことか、スーパーのパッケージされた肉類を見ているだけでは想像もつかない。他者の命を頂いて人間は生きているのだ。罪深い奴らだ。だから仏教では菜食主義を取るのか。
 中国の農家では、豚は可愛がられて飼われているが、大切なお客さんが来るとポコッとやられて食卓にのぼる。しかし豚は大きいので、お肉の大半は売られて現金収入に貢献する。自家用には骨の周りに残ったやつをそぎ落として食べると聞いたことがある。つつましい生活だ。
 気功の先生からは、お肉は食べなさいと言われている。これから、お肉を食べるときはそれを提供してくれた動物たちに思いをはせるか。三日もすれば、気にせず味わっているだろうか。ゴルフなどにうつつを抜かすことをやめて、菜食主義もいいかもしれないとふと思う。