野坂昭如さんからの手紙
土曜の午前中、永六輔のラジオ番組(TBSラジオ『土曜ワイドラジオTOKYO 永六輔その新世界』)に野坂昭如さんが手紙を寄せる。
今日読まれた手紙の内容は100パーセント同感で、思わず膝を何度もたたきたいほどだった。12年前の9・11から説き起こして、現在のシリアをめぐる国際情勢。イラク戦争に於いてアメリカに同調した日本の責任。オリンピック誘致の演説で、首相が福島は完全にコントロールされていると、世界に向けて大風呂敷を広げたこと。
日本には「水に流す」という言葉がある。これは過去のことにこだわらないで、先を見て進もうという前向きの意味もあるが、日本人は何でも曖昧にしてしまって責任を取らないということも表している。何でも水に流せばいいというものではない。けじめも必要だろう。野坂さん曰く「今の日本は水に流してしまってはいけないことをいくつも抱えている」ということだ。まさにしかり。
さすがに長年物を書いてきた人だけあって、短い手紙の中で日本人として心しなくてはならないだろうことを、サラリと述べられている。
この手紙シリーズは、いずれまとめて出版されるかもしれない。