天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

巨泉さんを悼む

 永六輔氏に続いて、大橋巨泉さんが亡くなった。まだ白黒テレビが主流だったころ、11PMという大人の番組で司会をしていた。あれからいろいろな活動をして、国会議員を務めたこともある。
 生涯を通して反戦を訴えた人だった。ネット上では、巨泉さんの最後の遺言が話題になっている。 
 例えば、本と雑誌のニュースサイトLITERAには、
民主党議員だった2001年に、アメリカの同時多発テロを非難し「アメリカを支持する」との表明に民主党でたった1人反対するなど、巨泉氏は徹底して反戦を掲げ続けてきた。安倍政権に対しても、第二次政権が発足した当初より、安倍首相の危険性を訴え続けている。」
 実際あのときは『テロとの戦い』というまやかしに世界中が騙された。
「僕は、ポピュリズムの権化のような安倍首相をまったく信用しない。(略)本当にやりたいのは憲法改正であり、日本を『戦争ができる国』に変えることでしょう。実際、ニコニコして、口当たりの良いフレーズを並べておきながら、国民の過半数が反対した特定秘密保護法を強引に通してしまった。法衣の下に鎧を隠しているような男の言動にだまされてはいけません」(「日刊ゲンダイ」/2014年5月12日)
このように巨泉氏は、いかなる戦争も個人の尊厳を破壊するものとして一貫して反対する姿勢を貫き、「戦争のできる国」作りを画策する安倍政権に対し批判を続けてきた。その姿勢は、病に倒れた後も決して変わることはなかったのだ。

 大橋巨泉が集中治療室に入り、長らく続けられていた「週刊現代」の連載が終了したことは各テレビ局でも大きく報道された。しかし、巨泉氏が最も伝えたかった〈安倍晋三の野望はおそろしい〉〈選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい〉というメッセージを放送した番組はひとつたりともなかった。巨泉氏が危惧していたメディアの萎縮は残念なことにここでも起きてしまったのだ。
〈書きたい事や言いたい事は山ほどある〉
〈このままでは死んでも死にきれない〉
こういうメッセージに対して、単に巨泉が好きでないという理由で心無い言葉で反応しているモノたちもいる。金持ちの巨泉が何言ってやがるという具合だが、問題は、ここに書かれているように、こういう主張があったことをメディアが報道しないことだ。
 大手メディアは結局のところ、権力者と歩調を合わせることで商売を続けようというわけだ。ジャーナリズムのあるべき姿を忘れている。