天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

JOHNNY ANGEL by D.S.

 ダニエル・スティールの2003年と割と最近の作品。いつものLOVEストーリーとは少し毛色の変わった、テレビドラマにするといいような物語。ひょとするとアメリカではTV放映があったかもしれない。と思うほど。
 Johnny Angelといえば、カーペンターズの歌の方を懐かしく思い出す。そういえば、この歌のセリフに沿って作った物語のようにも思える。現実離れしているが、読ませる。
 Johnnyと言う名の青年が、高校の卒業を控えて先々共に暮らしてゆくことになるだろうという関係の彼女と友人のカップルを車にのせてパーティーに行った帰り、事故に合って命を落としてしまう。
 あまりの突然の死を、彼の母親は受け入れることができず、食事もとれないほどの心身症になり命を失いかける。そこにJohnnyが現れる。彼は、天国に行く前に自分があまりに突然いなくなったことで、周りの人達が動転してその後を生きてゆけないようではいけないということで、3カ月ほどの間、母と弟の前にだけ現れる。その間に残された彼女や、父親はじめ家族の関係がうまく回るように、キューピットの役を果たす。
 現実にありえない筋書きではあるが、一つ感じたのはいつものダニエルの小説の主人公たちは、愛の悩みはあってもリッチな立場でいることが多いが、この話に出てくる家族たちはアメリカの庶民のようだ。Johnnyの恋人だったBeckyも奨学金で大学に進めることになったというハッピーエンドであるし、事故に合う前のJohnny自身、ハイスクールではスポーツのエースだったとはいえ、仕事をして家計を助けていたのだった。そういう舞台設定はダニエルの話としては珍しい。
 この本はちょっと特殊な部類として、まだまだ彼女の作品はある。試しに彼女のホームページで作品を調べてみたら92の作品が世に出ているらしい。うち読んだのが62を数える。今のペースで読んでいると、あと3年は楽しめそう。