天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

瀬戸内の旅(2)赤穂

 旅の二日目に入る前に、一日目に赤穂まで足を伸ばしたことを書いておこう。備前焼の展示館二か所にふられたので、若干時間の余裕が出来、日生から30分走ると赤穂浪士の赤穂だというので行って見ることにした。一山越える感じだった。
 赤穂では、赤穂城址と大石神社というのを見た。赤穂城址の門などは復元されていたが、中はどこに何があったかを示す表示があるのみで、さほど大きな城というわけではなかった。
 大石神社というのは、打ち入りを果たしたことで赤穂浪士達を祀った神社らしい。参道には四十七士の石像が並び、「大願成就」と書いた旗がはためいていた。
 先日「阿部一族」を読んで、「殉死」という風習について考えさせられたところであるが、これなどは主人の仇討を果たしたのちに切腹をした。お上の沙汰によりそうなったのだが、これが美談として今日まで語り伝えられている。日本人の武士道精神の具現化のように言われている。
 かたき討ちという習慣は日本だけのものではない。アフガニスタンでもあるらしい。一族の恥辱を晴らす、といったことを正当なこととして是認するのだ。実行側の論理は「この恨み晴らさでおくものか」ということだ。
 さてこの「恨み」というものは極めて主観的な場合がある。「逆恨み」という言葉もある。よかれと思ってやったことが恨みを買うこともある。赤穂浪士のかたき討ちの対象であった吉良上野介は、歌舞伎や浄瑠璃では、意地悪じいさんでどうしようもない人物のように描かれている。しかしこの人の領地である、現在の愛知県の吉良町では評判は悪くない。自分の領地・領民ためには力を尽くしていたのかもしれない。古今東西、政治家は地元の為に頑張る。
 そういえば、一日目の宿をとった日生では、入り江をまたぐ大きな橋の建設が計画されている。これは地元から建設省(現国土交通省)の事務次官が出たからだという。さほど交通量が多いとも思えない場所に橋をかけて、地元の人は何か恩恵をこうむるのだろうか。昔、新幹線が開通したときに、人気のない岐阜羽島に駅を作ったりして話題になった人がいたな。
 話がそれたが、赤穂浪士の場合主君への忠誠が庶民から評価され、結果としてこの地を有名にして語り伝えられるところとなった。ひょっとするとこの種の文化(?)は、人間の性癖としてまだ続いているのかもしれない。
ここのお土産には赤穂の塩を買った。