天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

ネットの力

 エジプトのムバラク大統領が辞任した。29年にわたる独裁政権が終焉を迎えたわけだ。デモなどの騒動はあったが、大量の犠牲者が出ることもなく独裁者をして政権を明け渡せしめることができたわけだ。今後、体制を整えてゆくのに少し時間がかかるであろうし、多少のいざこざはあるであろう。しかし、エジプトの庶民の希望が形となって一歩前進したのは大変よかったと思う。
 この成功の背景に、ネットの力が大きかったということが報道された。学生などの最も問題意識の高い人たちほどネットを使って情報を得たり、意見を交換する。その結果反政府の人々がいかに多いかを確認し、連帯するすることができたということだろう。
 その昔、日本の学生運動は学生集会で意見を戦わせ、連帯して行動したものだ。その舞台が今はネット上になったと言うことだ。ネットの場合、昔と違ってスピードも速い。今回のエジプトの場合も、大統領が政権に固辞する演説をしてからいくばくも無く、辞任せざるを得ないほどの状況であることを認識するに至った。
 ネットと言えば、世界中でネット人口が一番多いのが中国だ。「新しい中国人」という本があるが、その副題に「ネットで団結する若者たち」とある。中国政府は、政府にとってのネットの危険性を充分に承知しており、ネットの検閲体制を敷いている。しかし、次から次へ出てくるサイトを全てチェックし尽くせるものではない。
 中国にとって、民主化の問題は、ネットを最も使う若者たちが、このことにどれほどの関心と問題意識を持っているかにかかっていると思う。当面の自分自身の生活確保だけにしか目が行かない若者たちがそろっていたのでは、ネット人口が多くても政権に対する圧力にはならない。実際のところどうなのだろうか。この問題を調べるのも、やはりネットを使うことになる。