天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

上海キャンディ

 棉棉の上海キャンディを最後まで読んでみた。はじめの印象より、意外といいカモしれない。初めの部分ではエロ黒、ドラッグ描写ばかりのようで、読むのがいやになるようなところもあった。終盤はまとめに入ったという訳ではないと思うが、ストーリーの中の過去、即ちはじめの部分を振り返る記述が出てきて、落ち着いて読み終えることができた。他の作品も読んでみようか、という気になる程度にいいかと思える。
 改革開放直後の中国という、西洋文化の中とは違うという意味で、やや特殊な環境にある若者が悩み、苦しみ、もだえながらそれでも成長してゆく様子が書かれているように思った。しかし、この感じ方は自分だから、この年齢だからそう思うのであって、若者が読んだ場合にはもっと違う感想があるかもしれない。それくらいの程度に面白い作品だと思った。少なくとも、北京ドールや上海ベイビーを読んだときは、他の作品も読みたいとは思わなかった。
 解説で、莫言など他に聞き及んでいる作家と並べて批評がされている。現代中国文学界において、棉棉は何がしかの傾向を開拓した存在であるのであろう。これは人に薦めるべき本かどうかというと、少し迷うところだが、これも含めて、中国の現実を知ろうということならいいかもしれない。
 明日、私設「中国研究会」があるので、持っていってみようか。