[life]欠礼状の季節
まだ賀状のやりとりをしている人たちから、欠礼状を受け取る時期。今年は今までのところ8通。そのうち2通が、本人が亡くなったと奥様からの連絡だった。
両方とも会社関係で、一人は先輩で81才だったそう。この人は元気な方で、
「生きてるうちは元気よく」という言葉をモットーとしていて、私もそれは習うべきとしている。どう元気だったかというと、私を富士山登山競争に誘ってくれた方だ。まだ子供が小さいころで、初めてのときに家族で行ってみたものだった。
麓の富士吉田市役所の前からスタートして、5合目まで21キロ。頂上まで目指すコースもあるが、素人初参加は5合目コース。
「21キロだからハーフマラソン程度だから十分走れるよ」という言葉に騙されて参加。距離こそ21キロでも高低差がすごいのだ。当時は一般の車で5合目までいけたので、私の家族は車で5合目に上がって私のゴールを待っていた。ところがいつまでたってもゴールに来ない。誘ってくれた先輩はゴールして、一緒に待っていたが一向に来ない。そのうち係の人がゴールを片付け始めた。
時間制限があり、正午でレースは打ち切り。自分はといえば、初めてのことでペースがわからずゴールに届く前にダウン。ちょっと休憩と横になったとたん寝入っていた。気を失ったともいえる。それから耳元で虫が羽ばたく音で目が覚め、のろのろとゴール地点まで歩いて行った次第。ゴールがなくなっていたので、完走ということにならない。その悔しさをリベンジするため次年度から参加を続けて完走したものだった。
一度は頂上コースに挑んだこともあったが、8合目までで正午となり時間切れで途中から下山。5合目からはバスが下ろしてくれた。
という思い出のある方が亡くなった。元気だった割には81才は早いような気がする。でも81は日本人男子の平均ぐらいらしい。生きてるうちはお元気だったかどうか、もう長くお会いしてないので知る由もない。ご冥福を祈り、ランニングの後輩としては同等の年齢までは元気でいたいと、それが誘ってくれた恩返し。あの世で会いましょう。
もう一人は、会社入社の同期生。一時国部門で一緒だったことがあり、賀状のやりとりが続いていた。同期生とはいえ、彼は商船大学の出身なので卒業が一般大学より半年遅いので、入社研修などで顔を合わすことがなくさほど親しくはなかったが、誠実な営業社員という印象だった。晩年はどのように過ごしていたかわからない。やはりご冥福を祈る。年齢時には平均寿命に達していない。
ということで、自分が逝ったら家内がこうした挨拶状を出すことになるとすれば、早めに賀状をやめておいて家族の手間を省くのがいいかなどと思ったりしている。