天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

中華思想

 「中華という呼び名は、世界の中心という意味じゃないのよ。この地球のなんまかに咲く、大きな華。それが中華の国。人殺しの機会を作る文明など信じずに、たゆみなく、ゆっくりと、詩文を作り花を賞で、お茶を淹れおいしい料理をこしらえ、歌い、舞い踊ることが文化だと信じて疑わぬ、中華の国よ。」
 と西太后は言ったと、浅田次郎氏が「中原の虹」の中で書いている。この小説では西太后は悪女ではなく、あえて悪女を演じた救国の女性として描かれている。小説なので真偽のほどはわからない、ということはあるが、この種の書き物は緻密な調査に基づいているはず。

 いずれにしても、いわゆる「中華思想」を政治支配の視点ではなく、文化としてとらえるのは平和でいい。こんなくだりもあった。
 「自分もいつか胡弓を弾き詩を吟じて、仏に背かれた人の心を癒したい」胡弓とは二胡のこと。この心境で実践していくつもりで日夜練習している。
 ともあれ、そうは言っても最近も騒がしい。西太后の時代から時は流れ、日中戦争を経て改革開放となって資本主義経済の仲間入りをした中国も、共産党一党独裁体制は堅持されている。
 香港返還20年になり、一国二制度と言いつつ香港の民主派に対する弾圧があり、ノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏ががん治療のため、釈放されたとはいえ、外国で治療することは許されないとか。がんなんだ。どうも肝臓がんらしい。中国ではどんな治療を受けているのだろう。日本と変わりはないと思うが、そういえば中国でがんの手術をした日本人の話を聞いたことがあったな。ごっそり削ってもらったらしい。余談でした。
 中国の民主化の問題はおいておいて、文化として冒頭のような中華があればいいではないか、ということになるのかどうか。習近平は腐敗に対して厳しい取り締まりをしている。つまり現体制のよろしくない点を是正しようという姿勢は示されている。このご時世に民主化を頭から否定するとは考えにくい。大きな国なので、急激な変化をしようとすると歪もいろいろ出るのでゆっくりやろうね、という姿勢なのかな。
 権力闘争のための政治運動利用で、国中を混乱させた歴史を持つ国だけに、外からではわからない部分があるとは思う。しかし、声をあげて運動をしてゆくこと。これは続けることが必要で、合法的な表現方法を封じ込めようとするとなおさら運動が過激になる。
 質の悪い政府、レベルの低い大臣、知性にかける権力者を抱えてしまった日本は、やはり声をあげなくては。とりあえず今日の都知事選挙で、利権政治を進めてきた政党に鉄槌が下る。(まだ開票が終わていないが都民ファースト圧勝の気配)