アメリカでは、トランプ大統領に反対するデモまで起きているらしい。一方で、トランプ大統領は、選挙戦で公約したことを次々と実施に移している。有言実行でいいんじゃないか。
中でも重要なのはTPP離脱だろう。そもそもTPPは誰のための制度変更だったのか。という視点で見れば、関税の壁を取っ払って市場を拡大して儲けようという企業、所謂グローバル企業にとって好都合のものだった。消費者であり、生活者である庶民のためのものではない。そのことに気づいて、TPP参加を嫌煙していたのが国連であり、トランプ以前の米国にすでにその動きがあった。
現在の世界の各国の経済状況では、複数の国をまとめて同じ条件のマーケットだとするには、それぞれの経済事情の違いがありすぎるというのがTPPを否とする理由だろう。物価水準、所得レベルの違い、国内の格差の程度の違い、各国が持つ社会制度の違い（健康保険など）、などなどお国事情が違うことがあまりにも多い。
制度の違いは、各国の歴史的、民族的背景、地理的条件などが違うので、それぞれに合ったものを模索していることの結果であろう。そういうことを無視して、無条件に外国企業に市場を開放すると、それぞれの国の産業が荒廃する可能性が極めて高い。それぞれの国の産業は、庶民の働きで成り立っている。
トランプ大統領は、TPPではなく二国間交渉で相手国との条件をつけようという考えらしい。それでいいのではないか？手間と時間がかかるかもしれないが、それぞれの国民生活を守りながら、国民の意向を確認しながらよりよいものを求めることは丁寧に進めるべきだろう。
ところで、日本はTPP推進のためにずいぶんお金を使ってきた。即ち、庶民の収めた税金の無駄遣いがここでも行われていた。TPPが流れたとなると、この無駄遣いをした安倍政権の責任問題だ。これだけで政権交代に値する。
トランプ政策の実施状況は注意深く見てゆく必要があるが、アメリカの大統領なのだからアメリカファーストでやるのは当たり前。きわめて正当な考え方だ。日本の首相でありながら、アメリカのご機嫌を取るつもりでTPPを推進したり、企業優先の政策を続けている誰かとは大いに違う。
