お昼休みに、時間があると地階の商店街の本屋さんに行く。在庫本が沢山あるので、なるべく買わないようにしながらも何か面白そうな新刊書は無いかと見て回る。
そこで見つけたのがこの本。まずタイトルにひっかかった。国がないということは、国を意識したくないことなのだろうと興味を持った。読んでみると、アメリカ人でありながらアメリカがあまり好きではないみたい。たとえばこんなフレーズがあった。
「右寄りの独裁者は、左よりの独裁者よりもはるかに、アメリカの理想に近い。」
完全にアメリカを皮肉っている。アメリカばかりではない、人類はこのままではもう取り返しのつかないところまで来てしまっている、という認識がベースにあろ。で、彼一流のユーモアで、読者にそのことを少しでも気付かせられたらと思って書いているように感じられる。れるられる。
たとえばこんなくだり。
「唯一わたしがやりたかったのは、人々に笑いという救いを与えることだ。ユーモアには人の心を楽にする力がある。
アスピリンのようなものだ。
百年後、人類がまだ笑っていたら、わたしはきっとうれしいと思う。」
このまま、こんなことをやっていたら笑えない状況になるぞ、というあきらめにも似た警告だ。
こんなこと、というのは原発であったり、アメリカの派兵であったり、途上国の資源を搾取することだったり、権力闘争であったり色々だ。
新刊書ではないので、ネットで古書を探したら安く手に入った。