天天日記

中国好きのまっちゃんで、書いていたはてなダイアリーを引き継いでいます。

放射性物質の影響

 以前八王子市民講座で、放射性物質の人体への影響について体制派ではない学者先生の講義を聞いたことがある。それによると、nnマイクロシーベルト以下だから大丈夫とかなんとか言うのは、まったく意味が無いことであり、微量でも蓄積すると怖いということ。また、どこにどのように存在するのか、いつ飛散してくるのか計り知れないという話を聞いたことがあった。
 アーサー・ビナード氏も全く同じことを話していた。そしてその、「すぐには影響が無い」というまやかしの説明がされていることが、実はあとから影響が出るということであり、それがどういうことかということについて、面白い話をした。
 古典落語で「鼻唄三丁矢筈斬り」というのがあるそうだが、名刀村正というのは快刀でよく切れる。あまりに切れ味がするどいので、切られた本人は辻斬りにあっても、斬られたことに気付かず三丁ほど歩いてゆく。そこで出会った相手にポンと肩をたたかれて、パラリと体が割れてしまう。とか。これは比喩といえるのかどうか怪しい話だが、聞き手の興味を引き付けるのにはグッド。
 放射線でスパッと斬られるのは体の奥の奥、細胞の中のDNAだ。DNAが露出するのは成長期に細胞分裂を繰り返す子供に多い。だから気をつけなくてはいけない。これも以前学習したこと。で、成長期ではない老人は斬られる機会が少ない。ビナード氏によれば、影響が30年先に出て体を壊して死んだとしても、年寄りの場合、他の原因で体を壊し逝ってしまうケースの方が多いから大して問題にならない、とまた笑いをとる。
 実際、後になって影響が出てもその症状があの時の放射線の影響だったとか、放射性物質が体内に蓄積した結果の影響なのかというような、因果関係を立証することは難しい。なので「すぐには影響が出ない」として片づけてしまい、影響が出た頃にはそれは立証できないので、そのことに責任をとらない。このウソツキ野郎!とビナード氏は怒る。聞いていた聴衆も、そうだったのかと怒る。
 以上のほかに、記録しておきたいことは日本に落とされた原爆をめぐる問題があるが、それはまたこの次。